2012 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的テロメラーゼ活性測定法を用いた口腔癌診断システムの開発
Project/Area Number |
23792375
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
兒玉 正明 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (40423975)
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Keywords | 口腔癌 / テロメラーゼ / 検診 |
Research Abstract |
わが国では高齢社会の影響も受け癌患者は増加の一途を辿り、医療経済の面でも大きな問題となってきている。口腔癌で死亡する患者も年々増加しており早期発見のためのシステムの構築が望まれる。 以前よりテロメラーゼは癌マーカーとして期待されている。現在テロメラーゼ活性を測定する方法としてはTelomeric Repeat Amplification Protocol(TRAP)法が汎用されているが、この方法はPCR、ゲル電気泳動を必要とするため操作が煩雑で、時間(5~6時間)がかかるという欠点を有しており、癌の診断システムとして応用することは困難であった。そこで我々は効率的な診断システムを確立するべく、九州工業大学と共同で電気化学的テロメラーゼ活性測定法(ECTA)を用いた口腔癌診断システムを考案した。本方法の特徴としてはPCRやゲル電気泳動を必要とせず、TRAP法に比べ簡便かつ迅速にテロメラーゼ活性を調べることが可能である。 臨床研究に先立ち、種々の培養癌細胞を用い、TRAPとECTAのテロメラーゼ活性検出率を比較したところ、ECTAではTRAPよりも少ない細胞数でテロメラーゼ活性を検出できることが分かった。次いで本方法を臨床サンプル(ブラシ等で口腔内をぬぐい細胞を採取)で応用したところ、培養癌細胞での結果と同様で、ECTAはTRAPよりもテロメラーゼ活性検出能力が高く、口腔癌診断におけるECTAの感度は83.3%、特異度は81.8%であった。本方法は口腔癌診断システムとして有用であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)