2013 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブルを用いた新しい顎関節内遺伝子導入療法の開発
Project/Area Number |
23792376
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
土生 学 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00360058)
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Keywords | 慢性顎関節炎 / 抗サイトカイン療法 / 超音波遺伝子導入法 / ナノバブル / 顎関節炎モデル |
Research Abstract |
申請者は難治性慢性顎関節炎の治療のために抗炎症性サイトカイン発現遺伝子を顎関節局所に超音波遺伝子導入法を用いて直接導入する方法を検討した.以前申請者はIn vitroの実験系でウサギ膝関節由来滑膜細胞であるHIG-82 細胞に抗炎症性サイトカイン遺伝子pCI-anti-TNFαを導入させたところ,滑膜細胞の炎症反応が導入群では抑制された。さらに遺伝子の運搬体に超音波造影剤であるマイクロバブルを併用することで導入効率の増強が示された。しかしながら顎関節炎モデルを用いたIn vivoの実験系では,顎関節腔内での抗炎症性サイトカインの発現は確認されたものの,その濃度は有効濃度に達せず十分な治療効果を得ることができなかった.原因を調査したところ,遺伝子導入された細胞は主に顎関節滑膜細胞であったが,遺伝子の発現は極めて表面に限定的であった.これは遺伝子の運搬体であるマイクロバブル(直径2-4.5μm)の直径が大きく組織深部に到達できなかったことが考察された。よって本研究では,遺伝子の運搬体により直径の小さい超音波造影ガスを封入した新規リポソーム(ナノバブル:400~500 nm)を応用し,深部組織への導入効率を増強することで,慢性顎関節炎治療に有効なサイトカイン濃度の発現を目指した。pVIVO1-GFP/LacZ)を、超音波発振装置(Sonitoron2000)を用いてHIG-82細胞に導入後、導入効率を増強するためにマイクロバブル(Sonovue)またはナノバブル(DSPE-PEG liposome)を併用し、X-gal染色およびフローサイトメーターを用いて導入効率を検討したところ、ナノバブル群はマイクロバブル群に比べ約2倍の導入効率の増強が認められた。
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