2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792384
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
渡辺 仁資 昭和大学, 歯学部, 助教 (90384304)
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Keywords | 機能性ペプチド |
Research Abstract |
機能性ペプチド療法は標的タンパク質の機能ドメインを有しその機能を肩代わりできる低分子ペプチドを使用した分子標的治療の一つで、標的を抑制するペプチドは化学合成等が可能で簡便、安価な手法の一つである。癌治療に対する次世代標的治療においては抗体医薬やこれら機能性ペプチドを用いた脱遺伝子治療薬が注目されている。われわれは口腔扁平上皮癌に対する癌抑制遺伝子p16ファミリー、p14ARF分子を同時標的とした機能性ペプチドによる分子標的治療を計画し、脱遺伝子治療を意図した次世代テーラーメイド治療の可能性を模索した。同時標的とした理由は標的分子を一つに絞ることなく複数個標的にすることで悪性腫瘍細胞株の増殖抑制を示すことが示唆されているからであり、口腔癌においてp16 INK4A、 p15INK4B、そしてp14ARFの発現異常があり、単一の情報伝達経路を標的とした場合に他の経路が活性化し、癌細胞の生き残りや再増殖に関与することが知られていたことに着目した。デュアル機能ペプチドの導入は、複数の情報伝達経路を同時に抑制する可能性を持った次世代テーラーメイド治療である。p16INK4のinhibitory sequence domainおよびprotein transduction domain (PTD)であるWr-tとで複合体を形成させたPTDトランスポーターシステムを用いて、前立腺癌細胞株で増殖抑制することを見出した。
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