2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792386
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 亮 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60524709)
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Keywords | 末梢神経再生 / 顔面神経 / 歯髄 |
Research Abstract |
現在、顔面神経欠損には自家神経移植が主になされている。本研究では、歯の中の歯髄に着目し、歯髄細胞を組み込んだ神経誘導管により低侵襲に顔面神経を再生させることを目的とした。 1) ミニブタにおける歯髄を用いた顔面神経再生 静脈鎮静および局所麻酔下に、ミニブタの下顎切歯の抜歯を行い、歯髄の採取を行った。次に歯髄組織に酵素処理を行い、歯髄細胞混濁液を作成した。ミニブタ歯髄細胞をType Iコラーゲンゲルに混和、25 mmのシリコンチューブ(内径2 mm)内に注入しミニブタ歯髄細胞を組み込んだハイブリッド型神経誘導管を作成した。そして、同ミニブタに全身麻酔を行い、顔面神経下顎縁枝欠損の作成および同神経欠損に誘導管移植を行った。術後4ヶ月の評価において、神経誘導管は瘢痕組織に覆われ、神経断端を架橋しているものの、チューブ内に再生神経は確認できなかった。チューブの形態、内径、歯髄細胞の移植数が影響しているものと考えられ、条件のさらなる検討が必要がある。 2) ラットにおける歯髄を用いた顔面神経再生 ラットの上顎切歯から歯髄を採取し、酵素処理にて歯髄細胞(以下、DPCs)を得た。DPCsをType Iコラーゲンゲルと混合した後、10mmのシリコンチューブ内に注入してハイブリッド型神経誘導管を作成した。次に、ラットの顔面神経頬筋枝および下顎縁枝に7mmの神経欠損を作り、片側髭運動麻痺を作成後、頬筋枝神経欠損にDPCsを組み込んだ神経誘導管を顕微鏡下に移植した。顔面神経麻痺スコアを用いた機能回復の評価を行うと、DPCs移植群は、移植11週目より自家神経移植群と有意差を認めず、自家神経移植群と同等な機能回復を認めた。再生神経と感覚毛筋における複合筋活動電位(CMAP)測定では、DPCs移植群は自家神経移植群とは有意差を認めず、現在の臨床で行われている自家神経移植に匹敵する電気生理学的な回復を示した。
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Research Products
(4 results)