2012 Fiscal Year Annual Research Report
アドレナリン受容体サブタイプによる側坐核ドパミン神経活動制御機構の研究
Project/Area Number |
23792387
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
内田 琢也 日本大学, 歯学部, 助教 (10409104)
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Keywords | アドレナリン受容体 |
Research Abstract |
中脳-辺縁系ドパミン(DA)神経が投射する側坐核には,青斑核および延髄腹側部のノルアドレナリン(NA)神経が入力する。我々はα1受容体の作動薬のmethoxamineまたは拮抗薬のprazosinのラットの側坐核への灌流投与実験から,側坐核ではα1受容体が同部位のDA放出を抑制的に調節することを報告してきた(Saigusa et al., 2012)。 α1受容体にはα1A,α1B,α1Dの3つのサブタイプがあるが,methoxamineの惹き起した側坐核のDA量の減少へのα1受容体サブタイプの関与は明らかでない。そこで本研究では,α1受容体の各サブタイプの選択的拮抗薬がmethoxamineの誘発した側坐核のDA放出低下を抑制するか否かを指標として,α1受容体サブタイプのmethoxamineの効果発現における役割について検討した。 実験にはS-D系雄性ラット(体重約200 g)を用いた。無麻酔非拘束の条件下で,側坐核から脳微小透析法により回収した細胞外液に含まれるDAおよびNAを,HPLC-ECD法で20分毎に定量した。使用薬物は灌流液に溶解し,透析プローブから逆透析で側坐核に局所灌流投与した。 Methoxamine処置の結果,DA放出は約20%減少したが,基礎NA量に目立った変化はなかった。このmethoxamineによるDA放出低下は,基礎DAおよびNA放出に影響しない用量の5-methylurapidil(α1A受容体拮抗薬),cyclazosin(α1B受容体拮抗薬),BMY 7378(α1D受容体拮抗薬)をそれぞれ併用投与したところ,ほぼ完全に消失した。 以上の結果から,α1受容体作動薬のmethoxamineが示した側坐核のDA放出低下の発現には,同部位のDA神経終末上のα1A,α1B,α1Dの各受容体の同時刺激が必要であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)