2012 Fiscal Year Annual Research Report
ミダゾラム鎮静およびフルマゼニル拮抗が脳循環調節機能に及ぼす影響
Project/Area Number |
23792388
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小川 洋二郎 日本大学, 医学部, 助教 (60434073)
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Keywords | 歯学 / 脳・神経 / 歯科麻酔学 / 静脈内鎮静法 / 脳循環 |
Research Abstract |
申請者が以前に明らかにした「ミダゾラム鎮静は脳循環調節機能を増強させる」という結果を踏まえ,新たに生まれた2つの疑問「I.ミダゾラム投与による脳循環調節機能の増強効果が,拮抗薬であるフルマゼニル投与によって消失するか?」と「II.脳循環調節機能を障害させる状況下において,ミダゾラム投与は脳循環調節機能を改善させるか?」を検討することを目的に研究を行った.平成23年度は,「ミダゾラム鎮静に対するフルマセニル拮抗時」および「フルマゼニル単独投与時」に,血圧と脳血流速度の自発変動を記録し,その自発変動に周波数解析を施行することで,動的な脳循環自動調節能を評価した.その結果,フルマゼニルが軽度ながら脳血流量を低下させる一方,動的な脳循環調節機能を増強させることが示唆された.フルマゼニルによる脳血流量低下は,脳血管抵抗の増加により生じたと考えられる.つまりフルマゼニルは軽度ではあるが脳血管への直接作用を有している可能性がある.さらに,この直接作用が脳血流量を調節するメカニズムのうち筋源性機構に影響を及ぼし,動的な脳循環調節機能の増強を導いたと考えられた.平成24年度は,「II.脳循環調節機能を障害させる状況下において,ミダゾラム投与は脳循環調節機能を改善させるか?」の検討実験を予定していたが,倫理委員会への申請・承認後の「臨床研究に関する賠償損害保険」への加入手続きに月日を要したため,完遂出来なかった.しかし,脳循環調節機能を障害させる状況下を3%二酸化炭素吸入により模擬し,その結果,脳血流量の増加と脳循環調節機能の減弱が生じることを確認した.以上の実験結果より,ミダゾラム鎮静後のフルマゼニル投与は,軽度ながら脳血流量を低下させる一方,脳循環調節機能を増強することを明らかにし,ミダゾラムによる脳循環調節の増強効果をフルマゼニルは拮抗しないことが示唆された.
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Research Products
(1 results)