2012 Fiscal Year Research-status Report
fMRIを用いた星状神経節ブロック治療効果の定量化
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23792402
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
野上 堅太郎 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (50389417)
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Keywords | 星状神経節ブロック / fMRI / 顎変形症 / 術後知覚異常 |
Research Abstract |
顎変形症手術において、知覚異常は最も一般的な偶発症の一つである。その治療法として、星状神経節ブロック(SGB)があるが、その効果は定量化されていない。この研究では効果を定量化することを目的とする。 顎変形症手術の前と手術後、星状神経節ブロック施行後にNeurometerにてCPT値およびR-CPT値を計測してそれぞれを数値による定量化を行った。研究対象を同じ術式、同じ術者、女性に限定したことから一年で対象数が統計学的検討を行う数に達しなかったものの、二年に渡り行ったことから対象数を増やすことができた。SGBとキセノン照射 での治療効果に対する比較検討を行った研究がないことから、私は今回得られたCPTおよびR-CPT値を用いて、二群間の統計学的検討を行った。その結果、現時点で知覚をつかさどる「Aβ線維」を反映する「2000Hz」でのCPT値R-CPT値で相互作用および統計学的有意差を認めた。この結果から、侵襲的であるSGBが非侵襲的であるキセノン照射と比較して有効であることが明らかになった。今後対象数の増加に伴いその結果は変化するものと思われる。 SGBを施行する際には生体監視モニタを装着することが推奨されていることから、今回購入したモニタを装着して循環器変動を確認しながら毎回施行している。 fMRI撮像に関してははボランティアを用いて予備実験を数回行い、統計学的測定を行った。その結果を反映した条件をマニュアル化し、刺激装置を定量化することで、実験の撮像条件を定量化することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、順調に被験者数が増えており、CPT値、R-CPT値ともに計測できている。本来の目的であるfMRIの撮像は被験者の協力が得られないため、撮像ができていない。また、規格化された刺激装置が高価であることから、一定の刺激をマニュアルで行う方法を現在考案中である。
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Strategy for Future Research Activity |
撮像条件および、一定の刺激をマニュアルで行う事を数人ボランティアで行い、実際に解析を行う。その後撮像をスムーズに行えるようにプロトコール化する。確実に撮像後の解析の条件が揃った時点で、患者に十分なインフォームド・コンセントを行い、この研究の意図をしっかりと説明する。その被験者に対して撮像を行い、脳画像解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
磁場環境下で使用できうる安価な刺激装置が作成可能であれば、それを購入する。また、Neurometerの消耗品である、電極も購入する。 今回、日本歯科麻酔学会にて発表する予定であることから旅費を算出する。
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