2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23792405
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高崎 千尋 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60451449)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 摂食調節 / マウス / 視床下部 |
Research Abstract |
摂食は全ての動物に共通する、生命維持に必要な栄養素を摂取する行為であり、個々に見合った適切な量と質の食物を摂取するための摂食調節機構は健全な発育や健康に生きる上で重要である。その摂食調節機構を解明することは、歯科界において意義深い課題である。本研究では、野生型マウスの脳において、摂食調節に関わる分子の発現細胞・細胞内局在を、免疫組織化学、fluorescent in situ hybridization等の手法を用いて解析し、摂食調節に関与する分子の機能的役割を明らかにすることを目的としている。平成23年度は、野生型成体マウスの摂食に関わる脳内部位の視床下部における、摂食関連ペプチドの遺伝子発現とタンパク発現を中心に調べた。その結果、脳内マリファナとも言われる内在性カンナビノイドの受容体の一つであるCB1のmRNAは、満腹中枢の視床下部腹内側核に強く発現し、小胞膜型グルタミン酸トランスポーターVGluT2のmRNAと共陽性を示したが、他の小胞膜型グルタミン酸トランスポーターVGluT1やVGluT3のmRNAとは陰性だった。また、抑制性シナプスのマーカーであるグルタミン酸脱炭酸酵素GAD67のmRNAや、摂食抑制ペプチドとして知られているCCKのmRNAともCB1のmRNAは陰性だった。一方、摂食促進ペプチドとして知られているオレキシンのmRNAは視床下部外側野に発現し、小胞膜型グルタミン酸トランスポーターであるVGluT2のmRNAや抑制性のGAD67のmRNAと一部、弱陽性を示し、CB1のmRNAとも一部、共陽性が認められた。タンパクレベルでは、視床下部外側野において、CB1とオレキシンは共陽性を示さなかった。これは生後10日齢のマウスにおいても同様の結果だった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に行う予定であった研究項目はおおむね終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
視床下部で予定していた研究項目はおおむね終了したので、次年度は視床下部へ投射関係のある、脳幹での発現を調べ、投射経路も明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の残金は少額で平成24年3月1日に全て使いきっており、実質残金0円であった。次年度は必要な抗体購入、プラスチック製品の購入、論文成果投稿料、成果発表等を中心に研究費を使用する予定である。
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