2014 Fiscal Year Research-status Report
う蝕病原性細菌のバイオフィルム関連遺伝子と母子感染の研究
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23792416
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
茂木 瑞穂 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60422474)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | Biofilm / Streptococcus mutans / う蝕 / 母子感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、Streptococcus mutans の病原性の指標として、従来から調べられていたグルコシリトランスフェラーゼ(gtf)ではなく、バイオフィルムの質を評価するために、バイオフィルム形成能やバイオフィルムの構造に着目し、S. mutans の母子感染との関連について研究を行うことを目的としている。具体的には、DNAマイクロアレイを用いて我々が現在までに解析してきたS. mutans のバイオフィルム調節やクオラムセンシングに関わる遺伝子が母子間の伝播・定着にどのように影響を及ぼしているのかについて研究を行っている。 本年度の目的は、既に我々がDNAマイクロアレイを用いて解析したS. mutans のバイオフィルム調節に関わる遺伝子の74のうち、SMU832(hypothetical protein),833(putative glycosyltransferase)については欠損株を作製し、様々な栄養状態の異なる培地におけるPhenotypeを検討した。Glucoseが添加された TSB without dextrose培地において、SMU832やSMU833の欠損株のバイオフィルム形成には、Extracellular DNAが関与していることがわかったが、Lysozymeも関与している可能性が示唆された。 また、本学歯学部附属病院小児歯科外来を受診している母子よりプラークと唾液を採取してきたが、その中に含まれるMutans streptococciの細菌数のカウントおよび分離を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
数年前より大学全体の改築工事が行われているが、平成26年度は当医局の実験室と医局が大規模改修の対象となったため、実験を行えなえなかった期間が生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
改修工事にあたって新しい実験室にガス管がないなどの不備が多数あるため、事務に掛け合い一日も早く工事を行ってもらい実験を早急に再開したい。
SMU832, 833欠損株は、培地が静止している系(96-wells plate)におけるバイオフィルム形成において、 Extracellular DNAが関与していることが示唆されたので、今後は培地が流動している系(フローセルシステム)においてバイオフィルムの形態や形成量の定量を行いたい。
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Causes of Carryover |
数年前より大学全体の改築工事が行われており、平成26年度は当医局の実験室と医局が大規模改修の対象となり実験を行えない期間が発生してしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験再開に必要な物品や消耗品の購入、今までの成果をまとめ論文投稿を行う。
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