2012 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症軟骨におけるエストロゲン受容体を介した病的血管新生の制御機構の解明
Project/Area Number |
23792420
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
細道 純 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00420258)
|
Keywords | 顎関節症 / 女性ホルモン / 顎関節円板細胞 / 不死化クローン細胞 |
Research Abstract |
[目的]顎関節円板は、顎関節疾患の病態を解明する上で、重要な標的組織であるのに関わらず、組織を構成する細胞の種類や細胞性格について特定されていない。また女性ホルモンに対する顎関節円板細胞の反応機構は不明である。顎関節円板細胞の細胞性格を特定し、それらの女性ホルモンに対する反応機構について明らかにすることを目的とした。 [方法]不死化顎関節円板クローン細胞は雌性マウス顎関節円板細胞にテロメラーゼ遺伝子を導入して作製した。TRAP法から顎関節円板クローン細胞の不死化を確認し、各クローン細胞を、細胞増殖、形態、基質産生能の観点から細胞生化学的に評価した。女性ホルモンに対する応答に関して、エストロゲン、リラキシン、プロゲステロンを添加した条件で、クローン細胞を培養し、エストロゲン受容体ESR1/2、リラキシン受容体Rxfp1/2、プロゲステロン受容体PGRおよびPGRMC1、基質分解酵素MMP9/13の発現量についてmRNAレベルおよびタンパク質レベルを解析した。 [結果]不死化顎関節円板クローン細胞は、細胞形態、増殖および生化学的性質から、軟骨細胞様あるいは線維芽細胞様のいずれかの性質をもつものの2種類に分類されることがわかった。軟骨細胞様細胞は、エストロゲン処理に伴い、ESR1/2とMMP9/13のmRNAの発現を増加させ、タンパク質レベルも同様に変化した。線維芽細胞様細胞は、リラキシン処理に伴い、Rxfp1/2とMMP9/13のmRNAおよびタンパク質の発現増加を示した。さらに2種類の細胞は、プロゲステロン処理に伴い、MMP9/13の産生を減少させた。 [考察および結論]顎関節円板を構成する2種類の関節円板細胞はエストロゲンおよびリラキシンに対して各々異なった反応を示しMMP9/13を産生し、関節円板の破壊に関与することが示唆された。
|
Research Products
(3 results)