2011 Fiscal Year Research-status Report
RNAサイレンシングによるGPCRクラスB発現調節と骨再生への新戦略
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23792421
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡 一平 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10431941)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | RNAサイレンシング / GPCR / 骨再生 / RNAi / non-coding RNA / インクレチン / GLP-1 / GIP |
Research Abstract |
7回膜貫通型受容体であるGタンパク質共役型受容体(G-protein coupled receptor: GPCR)には4つのファミリーが存在するが、セクレチン型のGPCRクラスB(GPCR-B)には骨代謝制御に関わる数多くの受容体が存在することが知られている。そこでGPCR-Bを介した安全で効果の高い新規骨再生治療法の開発のため、骨芽細胞に存在するGPCR-Bの発現調節機構を解明し、骨形成に対して抑制的に作用するGPCR-B遺伝子をターゲットに最新のRNAサイレンシング技術でGPCR-B遺伝子をノックダウンすることで、部位特異的に効率的かつ副作用なく歯槽骨再生を目指すため、in vitroとin vivoの両面からアプローチを行っている。現在in vitroにおいては、骨芽細胞株(MC3T3-E1)を用いて、GPCR-B発現の確認とsiRNA導入の最適化の条件設定を行っているところである。一方in vivoにおいては、ラットの歯槽骨における骨再生を念頭に、in vivo siRNA導入時のDDSシステム構築に際して、唾液腺がもっとも有用な臓器と考えられるため、現在唾液腺の基礎的代謝機構の解明とそれらを応用した実験系を作製中である。(Unilateral maxillary molar extraction influences AQP5 expression and distribution in the rat submandiubular salivary gland. Archaves of Oral Biology 2012, in press)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は実験系の構築を目的としてきたが、その目的がほぼ達成され、またその成果を国内外の学会や学術誌において発表してきた。(学会発表4回、原著論文発表2編)また、海外の大学主催の研究セミナーにおいても研究結果等について発表し、その内容も高く評価されているため。(3rd International Conference of Faculty of Dentistry at King Abdulaziz University, Jeddah, Saudia Arabia March 12-15, 2012、第70回日本矯正歯科学会学術大会優秀発表症受賞)
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Strategy for Future Research Activity |
今後は昨年の研究結果をベースにさらなる応用に取り組む予定である。具体的にはこれまでに樹立したin vitroでの実験系を用いて複数種の遺伝子に対するRNAサイレンシングを行い、骨形成関連たんぱく質の動向を詳細に検討する予定である。またin vivoでは将来における口腔内でのDDS(microRNAなどのnon-coding RNA)の実施を念頭に、唾液腺に着目して研究を継続する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費に関しては、細胞培養関連およびin vivoでの動物実験にかかわる消耗品にその多くを計上する予定である。またこれまでの研究結果を統合して、国内外の学会発表や学術専門雑誌への投稿、ならびにweb上で無料閲覧可能な専門書の執筆と発刊を予定しているため、これらについても経費として計上する予定である。
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