2012 Fiscal Year Research-status Report
RNAサイレンシングによるGPCRクラスB発現調節と骨再生への新戦略
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23792421
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡 一平 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10431941)
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Keywords | GPCR-B / 骨代謝 / インクレチン / 歯槽骨再生 / 耐糖能異常 / GLP-1 / GIP |
Research Abstract |
7回膜貫通型受容体であるGタンパク質共役型受容体 (G-protein coupled receptor: GPCR)には4つのファミリーが存在するが、セクレチン型のGPCRクラスB (GPCR-classB: GPCR-B)には骨代謝制御に関わる受容体が数多く存在することが知られている。骨疾患治療薬の標的受容体として最も研究が展開されているGPCR-Bを介した安全で効果の高い新規骨再生治療法の開発し、部位特異的に効率的かつ副作用なく歯槽骨再生を目指すことが本研究の目標である。 骨芽細胞に発現するGPCR-Bの発現と骨代謝関連因子の検索のため、In vitroにおける骨芽細胞培養系のモデルとしてMC3T3-E1(RIKEN CELL BANK)を使用した。GPCR-Bの中でもインクレチン受容体として知られるGIP-R, GLP-1-Rについて検討を行ったところ、MC3T3-E1において発現が認められ、またqPCR(Step OneR)による定量評価を行ったところ、BMP-2添加によってその発現が増強することが確認された。現在、骨芽細胞におけるインクレチン受容体を介した骨代謝制御メカニズムを検討中である。一方、インクレチンが関連する因子として、インスリンに着目してモデル動物(STZ-Induced diabetic rat, High fat diet-Induced diabetic rat)の解析を行ったところ、耐糖能異常が頭蓋顎顔面の硬組織形成に影響を及ぼし、顎骨、歯槽骨、歯に対して深刻な成長発育不全がもたらされることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨芽細胞上のGLP-1-RおよびGIP-R双方の発現とBMP-2投与による発現の増強が確認され、in vitroの実験系の進捗状況を考えるとおおむね研究結果は達成されているが、in vivoにおける検索の必要が生じたため今後も研究の継続が必要であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの結果を踏まえ、今後はIn vivo, In vitro双方の実験系からインクレチンが顎骨、歯槽骨代謝に及ぼす影響とそのメカニズムについて詳細な検討を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでの研究結果発表のための論文投稿、出版費、およびin vivoの実験に必要な機器、試薬費として研究費を使用予定である。
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