2011 Fiscal Year Research-status Report
ダウン症候群の早期発症型歯周炎におけるToll様受容体シグナルの解析
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23792426
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 旬平 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (70362689)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ダウン症候群 / 歯周炎 / P.gingivalis / TLR |
Research Abstract |
ダウン症候群(DS)は,早期に急速進行性の歯周疾患を発症しやすく,その原因解明が急がれる.これまでの研究により,DS由来細胞において,歯周病原細菌の一つであるPorphyromonas gingivalis のリポ多糖(LPS)で刺激をしたとき,自然免疫に関係するToll様受容体(TLR)2と炎症性サイトカインのmRNA発現が増加することを明らかにしてきた.平成23年度はDS由来細胞におけるTLR分子およびTLRシグナル分子発現について解析を行なった. DS由来歯肉上皮細胞の長期培養可能株DS-HGEおよび非DS由来歯肉上皮細胞NOR-HGEにP. gingivalis LPSを添加して,RT-PCRでTLR1-10およびTLRシグナルのMyD88,TRAF6,IRAK1およびIRAK4のmRNA発現を調べた. LPS非添加時にNOR-HGEで発現を検出したのはTLR1であり,DS-HGEではTLR1,TLR2,TLR4,TLR7およびTLR9であった.LPS添加時にはNOR-HGEとDS-HGEともTLR1,TLR2,TLR4,TLR5,TLR7およびTLR9を検出した.シグナルはLPS非添加時にはDS-HGEでMyD88,IRAK1およびTRAF6を検出し,NOR-HGEでIRAK1とTRAF6を検出した.LPS添加時にはDS-HGEでTRAF6とIRAK1の発現増加を認めた. DS-HGEでは,多くのTLR分子およびTLRシグナル分子がmRNAレベルで恒常的に発現していた.DS由来細胞と非DS由来細胞では病原体に対するTLR分子自身の反応とそのシグナル反応の異なること,TLRを介したシグナル伝達がダウン症候群の歯周炎重篤化に関与することが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では当該研究期間においては,特に自然免疫反応の違いを明らかにしたいと考えており,目的1の「ダウン症候群と非ダウン症候群者の歯肉上皮細胞を用い,自然免疫に関与する受容体タンパク(TLRとNOD)およびそのシグナルタンパクについてPCRや免疫染色でその量および局在を観察する.」についてTLRおよびそのシグナルタンパクについてPCRでその量を計測した.目的2の「さらに,Pg 感染やその病原因子(LPSなど)の有無による各分子の増減や局在の変化を調べる.」についてPgおよびPg由来LPSを用いてサイトカイン,TLRおよびTLRシグナル分子の増減を確認した.上記目的をおおむね達成したことから,おおむね順調に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の目的通り,ダウン症候群と健常者の間で差の見られた分子について,ノックアウト細胞を作製し,それぞれの分子の歯周炎に対する寄与度を計るとともに,寄与度の高い分子については,21番染色体遺伝子との関連を調べ,ダウン症候群歯周炎の原因解明とその治療法研究のための基礎的データを収集していく.あわせてダウン症候群および非ダウン症候群由来歯肉上皮細胞について不死化も行っていく.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上皮細胞における反応を検索する必要があるため,細胞培養培地および添加剤に使用する.また計測用の蛍光物質,抗体およびPCR試薬,およびノックアウト細胞の作成に必要なsiRNA等に使用する.
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Research Products
(3 results)