2013 Fiscal Year Annual Research Report
ダウン症候群の早期発症型歯周炎におけるToll様受容体シグナルの解析
Project/Area Number |
23792426
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 旬平 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (70362689)
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Keywords | ダウン症候群 / 歯周疾患 |
Research Abstract |
ダウン症候群(DS)は、早期に急速進行性の歯周疾患を発症しやすい。その原因が自然免疫系の差異にある可能性を考え検討を行った。 DS由来細胞を歯周病原細菌の一つであるPorphyromonas gingivalis のリポ多糖(LPS)で刺激した。その結果、自然免疫に関係するToll様受容体(TLR)2と炎症性サイトカインのmRNA発現の増加をみとめた。次いで、DS由来細胞におけるTLR分子とそのシグナル分子発現を調査した。DS由来歯肉上皮細胞の長期培養可能株DS-HGE、および非DS由来歯肉上皮細胞NOR-HGEにP. gingivalis LPSを添加し、RT-PCRでTLR1-10およびTLRシグナルのMyD88,TRAF6,IRAK1およびIRAK4のmRNA発現を調べた。その結果、LPS非添加時にNOR-HGEで発現を検出したのはTLR1であり、DS-HGEではTLR1、TLR2、TLR4、TLR7およびTLR9であった。LPS添加時にはNOR-HGEとDS-HGEともTLR1、TLR2、TLR4、TLR5、TLR7およびTLR9を検出した。TLRシグナル分子の変化として、LPS非添加時にはDS-HGEでMyD88,IRAK1およびTRAF6を検出し、NOR-HGEでIRAK1とTRAF6を検出した。LPS添加時にはDS-HGEでTRAF6とIRAK1の発現増加を認めた。DS-HGEでは、多くのTLR分子およびTLRシグナル分子がmRNAレベルで恒常的に発現していた。以上のことからDS由来細胞と非DS由来細胞では病原体に対するTLR分子自身の反応とそのシグナル反応の異なること、TLRを介したシグナル伝達がダウン症候群の歯周炎重篤化に関与することが示唆された。
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Research Products
(4 results)