2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792431
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木内 奈央 徳島大学, 大学病院, 助教 (30457329)
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Keywords | RNAi |
Research Abstract |
本研究では、骨格筋量抑制因子であるマイオスタチンを標的遺伝子とし、これまで用いてきたアテロコラーゲンに代わる新しいsiRNA導入剤として、より安価で安全供給の確実性の高い特殊コラーゲンを併用したRNAi効果について検討した。まず、この特殊コラーゲンを併用してマイオスタチン特異的siRNAを筋ジストロフィーモデルマウスであるmdxマウスの左右咬筋に局所導入し、マイオスタチン遺伝子の発現抑制がマウス骨格筋量に及ぼす影響を検討した。その結果、マイオスタチン特異的siRNAの局所導入から2週間後、採取したマウス骨格筋重量は対照群に比べMst-siRNA導入群では有意に増加していた。また、マイオスタチンに対するRNAiによる筋分化への影響を検討するため、筋分化マーカーであるMyoDファミリーに属する遺伝子(MyoD, myogenin)の発現レベルを解析したところ、Mst-siRNA導入群では対照群に比べ、マイオスタチン遺伝子発現の抑制とともに増加していた。さらに、各咬筋について最大直径部における切片を作製しHE染色を行ったところ、筋線維直径および断面積ともに Mst-siRNA導入群では対照群に比べ有意に増加していた。現在、テレメトリーシステムを用いて筋ジストロフィーモデルマウスの筋張力を測定し、筋機能の回復度を検討している。本研究結果より、特殊コラーゲンを併用したマイオスタチン特異的siRNAの導入は筋ジスモデルマウスにおいても局所の骨格筋量の調節に有効である可能性が示唆され、将来的に慢性遺伝性筋疾患に対する新規治療法の開発につながるものと考えられた。
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