2011 Fiscal Year Research-status Report
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23792433
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山座 治義 九州大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (30336151)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 小児肥満 / カロリー制限 / アディポネクチン |
Research Abstract |
近年、小児肥満の増加が問題視されており、肥満児の出現頻度は約30年間で3倍に増加している。肥満はインスリン抵抗性と心血管疾患を発症する重大な危険因子である。疫学的および実験動物による研究により、成人期における肥満やそれに関連する代謝性疾患の起源は、遺伝的あるいは環境的要因によるものだけでなく、周産期における要因と関連があることが示唆されるようになった。そこで本研究課題では、抗老化・寿命延長効果のあるカロリー制限を授乳期の母獣に応用し、特に低出生体重児の体重増加および成人期での脂肪の蓄積や代謝関連疾患の発症を抑制する機構の解明を目指すとともに顎顔面領域の発育成長への影響について検討する。 母獣へのカロリー制限の影響検索するにあたり、授乳開始直後から離乳までの母獣の摂食量を毎日測定し、授乳期における母獣へのカロリー制限を行った。また、その仔について、授乳中の体重の変化を毎日測定した。離乳後は仔の体重の変化と摂食量を定期的に測定して、母獣へのカロリー制限がその仔の成長にどのような影響を及ぼしているのか、検索しているところである。また、カロリー制限下にある母獣の変化について、授乳中の乳腺を採取して、アディポネクチンに着目してその発現等を検索しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C57BLマウスの妊娠・繁殖は順調に行うことができた。C57BLマウス母獣の出産直後から通常の離乳までの21日間(出産後3週間)、毎日の摂食量を測定して、コントロールとしての摂食量を決定することができた。その母獣の授乳期の摂食量の70%の餌を毎日、離乳まで与えることにより、授乳期の母獣へのカロリー制限を行った。自由食およびカロリー制限下にある母獣から授乳を受けている仔の体重を離乳まで毎日測定を行った。授乳期の仔の体重増加は、自由摂食群に比べてカロリー制限群では小さいことが確認された。現在、離乳後の仔の体重および摂食量について、測定をしているところである。また、授乳期の母獣より乳腺、脂肪組織、肝臓を採取して、凍結保存した。凍結した一部の乳腺および脂肪組織からRNAを抽出して、RT-PCR法にアディポネクチンの発現量を検索した。一般的に、成獣の脂肪組織ではカロリー制限および絶食によりアディポネクチンの発現量は上昇するが、授乳期における母獣へのカロリー制限および絶食においても、脂肪組織でのアディポネクチンの上昇が確認された。また、授乳期の乳腺において、カロリー制限および絶食により、アディポネクチンの発現量の上昇が確認された。 今後は、自由摂食およびカロリー制限下の母獣から授乳された仔の飼育を継続することにより、成人期におけるエネルギー代謝に関連するシグナル伝達系を検索する予定である。また、妊娠期における母獣へのカロリー制限を行うことにより、低出生体重児モデルを作成して、低出生体重児への授乳期の母獣へのカロリー制限による影響を検索する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、自由摂食およびカロリー制限下の母獣から授乳された仔の飼育を継続しているところである。飼育中の仔の成人期におけるエネルギー代謝について、血液データの解析や耐糖能の変化、エネルギー代謝に関連するシグナル伝達系を仔の肝臓や脂肪組織、筋肉を採取して、RT-PCRやウエスタンブロットにより遺伝子やタンパク質レベルでの変化を検索する予定である。 アディポネクチンの乳腺での発現変化に関連して、仔の消化管でのアディポネクチン受容体の発現の変化をRT-PCRやウエスタンブロットにより遺伝子やタンパク質レベルでの変化を検索する予定である。また、母獣からの母乳の採取を試みるとともに、母乳中のアディポネクチンの検出およびカロリー制限の影響をELISA法を用いて検出する予定である。 授乳期の母獣へのカロリー制限が仔の顎顔面領域へどのような影響を及ぼすのか、マイクロCTを用いて経時的に検索する予定である。妊娠期における母獣へのカロリー制限を行うことにより、低出生体重児モデルを作成して、低出生体重児への授乳期の母獣へのカロリー制限による影響、離乳後の仔の成長、高脂肪食への影響について、体重や摂食量の変化、エネルギー代謝に関連するシグナル伝達系の検索を行うことにより、Thrifty phenotypeに関連する遺伝子やタンパク質の同定へと繋げていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は、マウスの購入、飼料や床敷きの購入、PCRなどの分子生物学的実験、ウエスタンブロットなどのタンパク質レベルでの検索などの消耗品に使用する予定である。また、学内外での機器利用料に使用する予定である。本研究課題の成果発表のための旅費に使用予定である。
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[Presentation] Mitochondria is involved in Miller Syndrome2012
Author(s)
Jingxian Fang, Takeshi Uchiumi, Mikako Yagi, Haruyoshi Yamaza, Dongchon Kang, Kazuaki Nonaka
Organizer
Gordon Research Conference: Craniofacial Morphogenesis & Tissue Regeneration
Place of Presentation
Ventura, CA, USA
Year and Date
2012-03-17
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