2011 Fiscal Year Research-status Report
ES/iPS細胞へのMsx2遺伝子導入後の骨芽細胞への分化・機能活性に関する研究
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23792438
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山本 芳丈 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50380465)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 骨芽細胞 / 細胞分化 |
Research Abstract |
歯科矯正治療における歯の移動には、周囲骨組織のリモデリングが必要不可欠であるが、生物学的基盤としての骨芽細胞の分化や機能を調節するメカニズムについては未だ不明な点が多く、この領域における研究は極めて重要である。本研究では近年骨芽細胞の比較的初期の分化制御に関与していると考えられているホメオボックスタンパク質に属する転写因子Msx2に注目し、骨芽細胞特異的な転写因子による分化制御機構、及び標的遺伝子の発現を誘導し、骨形成を実現するに至る分子機構について解明するため、マウスのES/iPS細胞を用いた骨芽細胞への分化過程におけるMsx2の役割を明らかにすることを目的としている。当該年度において、これまでの予備実験によるマウスの未分化幹細胞培養系にMsx2の遺伝子を導入し、その直接的な転写因子Msx2の効果についての検討を行うため、まず多能性幹細胞株であるマウス胚性幹細胞(マウスES細胞)への遺伝子導入を行い、骨芽細胞への分化誘導及び骨様石灰化ノジュールの形成・ALPの活性を確認した。また、同時に経時的あるいは経日的に骨芽細胞特異的な遺伝子発現の変化についても培養細胞よりTotal mRNAを採取し、RT-PCRを行うことにより確認を行った。結果としてMsx2遺伝子の導入により、骨芽細胞への分化が有意に誘導され、これらの研究結果の一部についてはすでに学術集会にて発表を行った。さらに、次の段階として提供された異なる未分化な幹細胞株であるマウス人工多能性幹細胞(マウスiPS細胞)についても導入遺伝子数の異なる2種類の細胞株を用いて、同様の実験系において確認作業を進めており、今後これらの研究成果についても随時、広く社会に発信していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要の中でも述べたように、当初より研究計画していたマウスES細胞を用いた実験系における研究結果はすでに出ており、現在次の計画であったマウスiPS細胞を用いた実験系に着手していることからも、本研究課題としては予定通りおおむね順調に進展しているものと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、当初研究計画していた内容に準じておおむね順調に研究が進展しているため、今後も研究計画に則して進めていく予定にしている。また、研究遂行の途中で問題等が生じた場合には、研究計画書に記載した対応により適切に対処し、研究の進行が留まることのないように慎重に進めていく計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題における研究費の使用状況はほぼ計画通りに進行しており、使用額や使用方法についても当初の計画のままであり、変更等はない。したがって、次年度の研究費の使用についてもこれまで通り、当初の計画に則して(消耗品の購入を中心に)使用していく予定にしている。
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Research Products
(1 results)