2012 Fiscal Year Research-status Report
ES/iPS細胞へのMsx2遺伝子導入後の骨芽細胞への分化・機能活性に関する研究
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23792438
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山本 芳丈 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50380465)
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Keywords | 骨芽細胞 / 細胞分化 |
Research Abstract |
当初交付申請書に記載した研究目的として、歯の移動には周囲骨組織のリモデリングが必要不可欠であるが、骨形成に関わる細胞の分化や機能を調節するメカニズムについて未だ不明な点が多く、この領域における研究は重要である。本研究では近年細胞の分化制御に関与していると考えられている転写因子Msx2に注目し、細胞特異的な分化制御機構及び標的遺伝子の発現を誘導し、骨形成を実現するに至る分子機構について解明するために、マウスES/iPS細胞を用いて細胞分化過程におけるMsx2の役割を明らかにすることを研究の目的として提示した。当該年度における研究実施計画として、前年度の研究結果を受け、その要因についての解明のために追加研究の実施やそれを進めていく上での新たな研究の創意工夫や修正等を行い、これまでの研究計画をさらに発展させて進めていくことにある。これまでの研究により、マウス未分化幹細胞培養系に遺伝子を導入し、直接的な効果について検討を行うためマウスES細胞への遺伝子導入を行うことで、細胞分化誘導(細胞形態や動態)やノジュール形成及びALP活性(細胞機能)を確認してきた。それと同時に経時的あるいは経日的な細胞特異的遺伝子発現変化についても、RT-PCRを行うことにより確認を行ってきた。これらの研究結果として、遺伝子導入により細胞分化が有意に誘導され、これらの研究結果の一部については既に専門学術集会において発表を行っている。また、次の研究段階としてiPS細胞についてもそれぞれ特徴の異なる細胞(異なる細胞株)を用いて、これまでと同様の実験系において各種実験確認作業を進めてきた。その結果、これまでに各細胞において特徴的な研究結果を既に確認し、この研究成果についての発表準備を進めている。また、最終年度に向けた取り組みとして、これまでの研究成果を取りまとめ、広く社会に発信していくための投稿準備も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した計画書にしたがって本研究を進めるにあたり、ほぼ当初予測したような研究結果が出ているため、予想外の大きな時間的なロスが生じていないことが、本研究において順調に進展している理由の一つだと考えている。しかしながら、予想の範囲内とはいえ全てが順調に進んでいるわけではなく、研究途中における思わぬ失敗やそのための修正等が必要であったため、当初の計画以上の進展までには至っていないのが現状である。それでも長期的な研究の計画における大きな遅れもなく、現時点においては概ね順調に計画が進んでいると考えている。今後も研究の進展度合いを遅らせることなく、これまで通り研究を進めていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、これまでの研究進展の状況的にほぼ順調に研究が実施されていることにより、基本的には当初計画した研究計画にしたがって本研究を進めていくことにしている。また、次年度が研究期間計画における最終年度であることを考慮し、残りの実施予定研究を早い段階で終えれるように努力し(研究への時間確保に極力努めていく)、その後の研究成果の社会への広い発信が十分に行える環境を整え、多くの研究成果の発表および報告を行っていきたいと考えている。さらに、時間的な研究における余裕があれば、本研究の実施中に生まれたアイデアを元に、本研究内容をさらに発展させた研究の実施を実現させていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する研究費については、当初の長期的研究計画にほぼ沿った形で進んでいるため、今後もこれまでの研究計画にしたがって計画的に研究費を使用していく予定にしている。今回、消耗品購入費を少し抑えることができたため、その分を次年度の研究実施回数の増加や論文投稿あるいは学会発表等にうまく活用していきたいと考えている。研究費の使用にあたっての割合として、設備備品購入やその他の使用を極力抑え、主に消耗品購入に使用していく予定にしている。また、次年度は研究計画における最終年度であるため、研究実施のための研究費の使用を早い段階で終了させ、後半は研究成果を広く社会へ発信し、社会に貢献していくための研究費の使用に充てていきたいと考えている。
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Research Products
(1 results)