2011 Fiscal Year Research-status Report
近年の児童の経年的資料に基づいた咀嚼機能の低下が引き起こす不正咬合発現の究明
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23792447
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
根岸 慎一 日本大学, 歯学部, 助手(専任扱) (60579118)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 咀嚼機能 |
Research Abstract |
近年の日本人児童は歯科領域において、軟食化の影響により、咀嚼能力の低下が指摘されている。これは、市販されている食材または家庭内で調理されている食事の軟食化など、日本人の食生活の変化が原因と指摘されており、その結果、下顎骨の成長不足や歯列狭窄による不正咬合が増加している。本講座において開発した咀嚼トレーニング用ガムでの咀嚼トレーニングが咀嚼に関する機能の向上、咀嚼運動の活性化を促し、その結果、歯列成長を促進することを報告してきた。しかしながら、近年日本人児童の成長発育期における咀嚼機能、咀嚼運動の基準値は発表されておらず、経年資料による疫学調査では、各調査における母集団の平均値を基準とした報告が散見される。そこで、本研究では小学校児童の形態的および機能的な経年資料を採得し、日本人児童の基準値を調査することを目的とする。 対象となる小学校児童の試料採取の前に、川崎市の幼稚園児童44名を対象に咀嚼機能、咀嚼運動の調査をおこなった。調査内容は顔面規格写真、咀嚼運動、口唇閉鎖力、舌挙上力、最大咬合力および咬合接触面積である。小学校入学前児童の資料を採得できたことで、経年資料の厚みが増すとともに、第一大臼歯萌出開始期の児童のデータを採得することができた。 小学校児童の調査は来年度H24度からのスタートとなる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概要でも触れたが、小学生児童の資料採得前にさらに低年齢である幼稚園児童の資料採得を行うことができたため、小学生児童の資料採得が遅れる形となった。しかしながら経年資料のデータがさらに低年齢まで延長することができたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
被験者は、小学校1年生の児童とし、選定条件は臨床所見において、歯周組織、顎関節、咀嚼筋群および顎運動に特記すべき以上を認めないこと、反対咬合および二態咬合がないものとする。また、児童および保護者に説明会をおこない、本研究の目的を理解し、傘下の同意が得られたものを対象とする。 計測項目は形態的特徴として口腔歯列模型、顔面規格写真および口腔内所見を、機能的特徴として咀嚼運動、口唇閉鎖力、舌挙上力、最大咬合力および咬合接触面積を採得する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
小学校での資料採得に必要な機材の経費と平成24年6月のヨーロッパ矯正学会における発表費用に使用する予定である。
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