Research Abstract |
24年度では以下の結果を得られた。 ①Nc/Ngaマウスのダニ抗原を17日間反復塗布した背部には、赤い湿疹, 結節等が形成され, 湿潤した局面から組織液の滲出を認めた。さらに, 血中IgE, IL-17タンパク発現量が増加し、アトピー性皮膚炎の発症を確認した。②ADマウス, wild typeマウスのOF群は歯根の表面に吸収窩が認められ, 周囲にTRAP陽性の多核破歯細胞が出現した。それらはwild typeマウスと比較しADマウスでより多く認めた。③ADマウスはwild typeマウスと比較し、多くのIL-17, IL-6, RANKL陽性細胞を認めた。さらに, OF群はコントロール群と比較し、IL-17, IL-6, RANKL陽性細胞の増加を認めた。④ADマウス, wild typeマウスのPDLにTh17細胞の存在を確認した。さらに, wild typeマウスと比較して、ADマウスの歯根膜に発現するTh17細胞の数の増加を認めた。また, OF群は, コントロール群と比較し, Th17細胞の数が増加した。⑤hPDL cellsとアトピー性皮膚炎患者のCD4+T細胞を共培養し、CFを付与した群は, 他群と比較しIL-6, RANKLのmRNA発現とIL-17, IL-6, RANKLタンパク発現が有意に増加した。また, hPDL cellsとアトピー性皮膚炎患者のCD4+T細胞を共培養しCF刺激を行った群のOPGのmRNA発現とタンパク発現は, 健常者のものより有意に低下した。 以上の結果は, Th17細胞の歯根吸収への関与を示唆しており,強い矯正力を作用させた場合, アトピー性皮膚炎患者は健常者よりも歯根吸収を惹起しやすいことを示していた。
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