2012 Fiscal Year Annual Research Report
副作用を軽減する安全で簡便なビスフォスフォネート製剤の投与方法の開発
Project/Area Number |
23792454
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
船山 ひろみ 鶴見大学, 歯学部, 助教 (00359530)
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Keywords | Bisphosphonate / マウスモデル / イオントフォレシス / 顎骨壊死 |
Research Abstract |
Bisphosphonate(BP)の強い骨吸収抑制作用は,骨転移性腫瘍や骨粗鬆症などの骨吸収亢進を伴う疾患に広く応用されているが,急性の発熱や消化管傷害などの炎症性副作用を持つことは以前より知られている.注射による薬物投与は痛みや恐怖感を伴い組織損傷を引き起こし,経口投与は胃または十二指腸から吸収され肝臓でのfirst pass effectを受けるため薬物のdegradationが生じるほか,胃腸障害を引き起こすなどの欠点がある. イオントフォレシス(IOP) はイオン化した薬剤が電気的反発と電気浸透により物質移動を起こす現象で,薬液を担持させた薬物保持層を皮膚に貼付し,電圧をかけることで皮下に薬物を浸透させることができる.この技術を応用し,BPsの新しい投与方法の開発を試みた. 6週齢の雄性BALB/cマウスの耳介へ,骨吸収抑制作用が最も強いBPの一つであるzolodronateを経皮的に投与する実験を行った.前年度に報告した試作薬剤担持型電極を用いて,安全かつ効果的に投与できる条件の検討と,これまで研究代表者らが明らかにしたBPsの炎症・壊死作用を抑制する効果を持つ窒素非含有のBPであるclodronateとの併用投与を検討した.耳介の炎症・壊死反応について肉眼で観察し,経皮的に投与されたBPの全身的骨吸収抑制作用についてはBP-band形成(BP投与により生じる脛骨骨端部のX線低透過帯)を指標に検討した. 炎症・壊死を生じず,安全に骨吸収抑制効果を示す通電条件は0.1 mA, 5 minであり,zolodronateの濃度は10 mMであった.炎症を生じる条件にてclodronateとの併用実験を行ったが,明らかな炎症抑制作用は認められなかった.今後,耳介組織内の炎症性サイトカインの測定なども検討し,より安全なBPsの経皮・経粘膜的な投与の検討を行う予定である.
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Research Products
(4 results)