2011 Fiscal Year Research-status Report
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23792457
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
金山 隼人 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (70460417)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 咀嚼機能 |
Research Abstract |
以前に作成した咬合高径低下モデル動物では、頬骨弓と下顎骨にフックを埋入し顎間ゴムを固定した。しかし、この方法では、顎間ゴムの調整や撤去の際に再度手術が必要となる。そこで今回は、顎間ゴムの調整と容易な撤去が可能な咬合高径低下モデル動物の作成を行う。頭蓋骨と下顎骨に可徹式のフックを装着し、頭蓋骨と下顎骨にそれぞれ固定式のアンカーピン(直径1.4mm,長さ3mm)を埋入し、可徹式のフックには矯正用ワイヤー(0.9mm)を屈曲したものを用いる。下顎にワイヤーを装着する際には、下顎骨の回転などを最小限に抑えるために顎間ゴムが上下歯の萌出方向と水平なるよう調節する。という新しい咬合高径低下モデル動物の作成という第一の目的は達成できた。 また、咬合高径低下前と低下後の顎間ゴム撤去から各時点において小動物用3次元X線マイクロCT撮影を行い、顎顔面形態や歯の萌出様式の変化を経日的に計測し、3次元的な形態解析を行う。咬合高径低下モデル動物と顎間ゴムによる咬合高径の低下を行わなかった動物(以下、対照動物)との咬合高径の変化を経日的に比較・検討を行う。という咬合高径低下モデル動物における咬合高径の経日的変化を解析する第二の目的は、小動物用3次元X線マイクロCT装置の故障のためやや遅れている。しかし、現在のところ、実験群の咬合高径は,顎間ゴム装着前は平均11.8mmであった.顎間ゴム装着後,咬合高径は平均11.2mmで約7%減少し,対称群に比べ有意な差を認めた.また,顎間ゴムを撤去すると咬合高径は4日目までに急激に増加し,7日目以降では対称群との有意差は認められなかったという結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「咬合高径低下モデル動物作成後に顎間ゴム撤去からの各時点において小動物用3次元X線マイクロCT撮影を行い、顎顔面形態や歯の萌出様式の変化を経日的に計測し、3次元的な形態解析を行う。」としていたが、2011年12月に本学に常設してある小動物用3次元X線マイクロCT装置が故障した。2012年3月末に修理が終わり現在正常に稼動しているが、CT装置の故障のため現在研究はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
各測定日において咬合高径の記録・計測を行うとともに以下の計測を行う。1)咬合高径低下後の顎運動経日的に記録する。顎運動の測定にはポジションセンサーシステムを用いる。また、記録には、顎運動を定量的に評価するため脳定位固定装置に固定した動物を用いる、記録は、咬合低下後から開始し、各時点で行う。定量的な評価には、最小開口位,最大開口位および開口量,1咀嚼サイクルの時間を用いる。このように咬合高径の低下前後における顎運動パターンを比較し、行動学的に口腔機能適応を分析する。2)咬合高径低下後、無麻酔下にて咀嚼筋筋電図を記録する。また、筋電図と顎運動との時間関係を分析するために、顎運動を同時に記録する。無麻酔自由行動下での顎運動の記録は、磁気センサーによる顎運動記録システムを用いる。本研究ではいずれも作業側のみの筋活動を分析するし、1バーストあたりの咬筋積分筋活動量、咬筋筋活動持続時間、顎二腹筋積分筋活動量、顎二腹筋筋活動持続時間を分析項目とする。また、筋電図と顎運動との時間関係を分析するために1咀嚼サイクルの時間を顎運動から分析する。これらのデータを構築し、咬合高径低下後に認められる顎顔面形態、咀嚼運動様式の変化についてそれぞれの経過がどのように関連するかを検索する。さらに、これらのデータを統合することにより、咬合高径維持のための感覚機構を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1年を通し研究動物(hartley系雄性モルモット)の購入に使用する。7月に顎関節学会、9月に日本矯正歯科学会にて研究結果を発表する。また、夏と秋の2回に情報収集のために学会に参加する予定である。
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