2011 Fiscal Year Research-status Report
乳歯歯髄由来細胞における炎症応答抑制メカニズムの解析
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23792459
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
原田 京子 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80434794)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 乳歯歯髄 |
Research Abstract |
実験に用いた歯髄細胞は,歯根が2/3以上残存する健全乳歯で,矯正治療のため抜去したものを用いた。歯髄組織を剥離し,約2×2 mmの組織片に切り出し,一定時間初期付着を行ったのち増殖してくる細胞を初代培養乳歯歯髄由来線維芽細胞として継代を行った。本研究には3~8継代した細胞を用いた。LPSおよびアデノシン刺激による乳歯歯髄由来線維芽細胞の増殖率を,MTT assayにより吸光度測定した結果,今回実験に用いた濃度のLPSおよびアデノシンが細胞増殖能に影響を与えないことが明らかとなり,また,実験に用いるLPSおよびアデノシンの至適濃度についても検討することができた。乳歯歯髄由来線維芽細胞をLPSおよびアデノシンにて24時間処置後、上清中のMMP-2,MMP-9をザイモグラフにより検討した。上清中のMMP-1,MMP-3,MMP-8,MMP-13はウエスタンブロッティングにより検討した。その結果,炎症時に変化するMMPを特定することができ,変化のみられたものについては,その経路についても検討を行った。さらにLPSおよびアデノシン刺激による乳歯歯髄由来線維芽細胞のtoll like receptor-4,アデノシン受容体A1、A2a、A2b、A3の発現をFACS caliberおよびウエスタンブロッティングにて解析し,変化のみられる受容体発現について明らかにした。これらの研究結果について,小児歯科学会等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度内に実施予定であった実験をほぼ実施することができ,細胞増殖能,サイトカイン産生能,メタロプロテアーゼ産生能,受容体発現の検討において,いずれも仮説に沿った結果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はLPSおよびアデノシン単独処置によって変化のあった線維芽細胞の各種機能について,LPSとアデノシンとの併用時の応答性の変動について検討を行う予定である。また,併用によって変化の見られた機能については,そのメカニズム解明を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養に必要な培地,試薬等,消耗品の購入をはじめ,国内外において研究成果発表のための旅費,2年間の研究成果をまとめた論文発表のための印刷費等に使用する計画である。
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