2011 Fiscal Year Research-status Report
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23792468
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| Research Institution | Niigata University |
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Principal Investigator |
中曽根 直弘 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (20447634)
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| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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| Keywords | 咬合 / 歯根発生 / 細胞増殖 / 歯根伸長 / ラット |
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| Research Abstract |
研究成果の具体的内容 我々の過去の研究では、ラット臼歯発生過程において増殖細胞分布を解析し、歯根形成期に形成部位での細胞増殖活性が急激に減少することを示した(Nakasone et al, 2006)。この歯根形成期は咬合開始期でもあり、咬合が加わる方向が歯の萌出方向と逆方向であるので、咬合が歯根形成部位の増殖活性に影響を与えていることが推測された。そこで、我々は"咬合を排除する"ことで咬合の影響を解析する実験系を樹立した。具体的には、15日齢ラットの萌出前右側下顎第一、第二臼歯を抜去し、10,15日後に右側第一臼歯を含む上顎骨を採取した。また無処置の右側上顎第一臼歯をコントロールとした。μ-CT撮影後、3次元構築像にて咬頭の幅を計測し、矢状断スライス像にて近心根長を計測した。脱灰後、通法に従ってパラフィン切片作製し、H-E染色・Azan染色、BrdU免疫染色を行った。本研究では、咬合の排除により歯根形成部での増殖活性が維持され、それにより歯根長が延長することが示された。この結果を歯周病学会春季学術大会で発表し、更に論文にまとめEuropean Journal of Oral Sciencesに投稿し、受理・発刊された。意義、重要性等 現在のところ、歯根長を決定する因子はまだわかっていない。本研究では咬合という環境因子に焦点を当てたが、咬合が歯根長に影響を与えていることが示唆された。これにより歯根発生を考える場合、遺伝子だけでなく咬合の関与を除外できなくなる。したがって本研究のもたらす結果は、今後の歯根発生研究において意義あるものと考える。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計画的に実験を行うことができ、研究も計画以上に進展していると思われる。その理由の第一に、実験系の確立が挙げられる。対咬歯抜去の実験系は、多くの論文で行われているものであるが、萌出前の対合歯を抜去する実験系は皆無であった。咬合を排除する方法は他にも考えられたが、萌出前の対合歯を抜去する実験系を確立できたことで、確実に咬合排除できたことが大きいと考える。 第二にμ-CTを用いたことで、クリアな3次元像を得られたことが挙げられる。本研究では、咬合の幅および歯根長の計測にμ-CTを用いたが、どちらも重要な結果を得ることができた。 第三に切片作製の技術が安定していたことが挙げられる。歯の切片は薄切の面出しが難しく、バラツキが大きくなってしまう。本研究で得られた切片は、実験群・コントロール群共に3咬頭、2根尖がきちんと示されており、比較するに値するものである。特に増殖細胞数を計測した結果では、薄切の面によって結果が大きく変わってしまう。このため、安定した面を得ることは非常に重要である。 以上の理由から、本年度研究が計画以上に進展し、学会発表・論文受理に至っているものと思われる。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は次の点について解析していく予定である。・歯根発生の主役と言われるヘルトヴィッヒの上皮鞘(HERS)の咬合による形態学的変化を解析する。 ラット第一臼歯歯根形成開始～萌出前である生後15, 18, 21日の試料を採取する。また正常萌出した群および咬合排除群の第一臼歯も採取する。脱灰後、通法に従ってパラフィン切片作製する。H-E染色・サイトケラチン14免疫染色を行った切片を用い、HERS細胞数計測およびHERS長計測を行う。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、大きく次の3項目について研究費を使用する1.動物購入、飼育、固定2.組織学的解析試薬 切片作製試薬、H-E染色試薬、サイトケラチン14抗体、免疫染色試薬3.学会旅費、その他
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Research Products
(5 results)
