2011 Fiscal Year Research-status Report
歯周炎および喫煙がIL-6遺伝子プロモーター領域のゲノムメチル化に及ぼす影響
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23792473
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
両角 俊哉 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20444151)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 遺伝子解析 |
Research Abstract |
歯周炎の遺伝子多型研究は、1997年にIL-1遺伝子多型が慢性歯周炎の重症化と関係することが発表されて以来、既に200以上の国際論文が報告されている。申請者自身もこれまでに、MMP-1やMMP-3、フィブリノゲンなどの遺伝子多型と歯周炎の関連性について報告してきている(Itagaki et al, J Clin Periodontol 2004; Morozumi et al, Immunol Invest 2009)。 しかしながら、従来の多型解析では疾患感受性遺伝子の機能や活性が不明確であった。また、一部の遺伝子では多型とタンパク産生における不一致が認められていた。この原因として、近年、医科領域で明らかになりつつあるエピジェネティクス、とりわけDNAのメチル化修飾により遺伝子情報発現が影響されている可能性が考えられる。それゆえ、疾患感受性遺伝子の研究を行うには、遺伝子活性を制御するゲノムメチル化の解析が必須である。これまでの歯周病領域での報告は極めて少なく、白人歯周炎患者のIL-8でDNAメチル化を検証した2編のみである(Oliveira et al, J Clin Periodontol 2009; Andia et al, J Periodontol 2010)。 そこで本研究において申請者は、血液・歯肉溝滲出液(GCF)細胞・歯周組織片由来のDNAを対象に、歯周炎や喫煙がIL-6プロモーター領域のゲノムメチル化に及ぼす影響の検討を試みることとした。本年度は各群(健常者、歯周炎患者、喫煙者、喫煙関連歯周炎患者)20名、計80名のサンプリングを行い、IL-6プロモーター領域のメチル化解析を行い、4群間の比較解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
被験者選定にあたり、様々な全身疾患を有する者が多く、サンプリングは予定よりも少ない結果となった。しかしながら、データに影響する要因でもあるため、今後もその点は遵守していく。また、喫煙レベルもパックイヤーと血清中コチニン濃度で比較するとバラツキが見られた。これは、喫煙本数が多くても浅く吸い込むなどの喫煙方などに差異があるためと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度のサンプリング数を足しても予定数に達しなかった場合は、講座にストックしてあるサンプルを使用する。それらを合わせれば統計解析可能な数となる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は蓄積されたデータの発表およびまとめ方についての資料を得るため、いくつかの学会に参加・発表する予定である。よって、前年度に比べて多めの旅費を計上する予定である。
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Research Products
(5 results)