2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792487
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
臼井 通彦 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10453630)
|
Keywords | RANKL / 歯肉上皮 |
Research Abstract |
歯周病に罹患している患者の歯肉溝滲出液中には、マクロファージなど免疫細胞が産生する炎症性サイトカインなどが検出されることが知られている。その歯肉溝滲出液中にもRANKLが含まれていることが報告されている.しかし、歯肉溝を形成する細胞である歯肉上皮細胞におけるRANKLの発現・機能に関しては未だ不明である。歯肉上皮細胞株であるCa9-22細胞からRNA、タンパクを抽出しRT-PCR法にてRANKL mRNA、western blotting法にてタンパク発現の有無を調べた結果、RANKLの発現を確認することができた。次にマウスの歯周組織に免疫染色を行い、RANKLタンパクの発現を検証した。付着上皮、歯肉溝内上皮、口腔歯肉上皮にその発現をみることができた。。次に、歯肉上皮細胞をTNF-αで刺激し、RANKL 発現に対する影響を検討した結果、RANKL発現はTNF-α刺激により有意に増加した。最後にTNF-がRANKL発現を誘導する経路を調べるために、PKA経路の阻害および活性化を行った。その結果、Ca9-22においてPKA阻害剤(H89、PKI)で処理されたTNF-αはRANKL mRNAおよびRANKLタンパクの発現を有意に減少させ、PKA活性化因子(Forskolin)で処理されたTNF-αはRANKL mRNAおよびRANKLタンパクの発現を有意に増加させた。次に、歯肉上皮細胞の発現するRANKLが実際に機能するか否かを検証するために、破骨細胞前駆細胞と歯肉上皮細胞を共存培養した。その結果、わずかではあるが破骨細胞が形成され、TNF-α, Forskolin処理により、形成される破骨細胞数は増加した。歯肉上皮細胞はTNF-α-PKAシグナルを介したRANKL産生により破骨細胞形成を支持することが示唆された。
|