2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792492
|
Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
武藤 昭紀 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (50549433)
|
Keywords | 歯周病 / 血管の石灰化 |
Research Abstract |
血管の石灰化は血管の抵抗性の増加により、様々な疾患の要因となる。近年、骨代謝に重要なRANK-RANKLシグナルが血管の石灰化に重要である。またぺリオドンタルメディスンの考えから、歯周病と動脈硬化症の関係が注目を浴びている。そこで本研究では歯周病を介した血管の石灰化の作用機序を解明することを目的として実験を開始した。平成23年度に計画した歯周病誘導性血管石灰化モデルの作製は、口腔より細菌感染を行う計画であったが、血管の石灰化度の結果のばらつきが生じたため、歯周病原細菌により産生亢進が著明なIL-6を口腔内より投与する実験系に変更した。その結果、IL-6投与群において、大動脈弓における脂質沈着が有意に亢進した。またIL-6投与群において血管の石灰化度が高かった。さらに、平成23年度、実験計画の変更に伴い、平成24年度に行う予定であったヒト大動脈血管平滑筋細胞(HUVEC)における歯周病菌の石灰化への影響の解析実験を、炎症性サイトカイン(IL-6)添加による実験に変更した。その結果、ALP、RANKLの発現上昇が見られたが、石灰化抑制因子であるMGPの発現は亢進しなかった。以上のことにより歯周病誘導性サイトカインの上昇により、血管の石灰化に関与する可能性が示唆された。今後、さらに本研究をすすめることにより、歯周病による動脈硬化症、特に血管の石灰化における機序、影響程度が解明されるとともに、血管の石灰化に対する歯周病の直接的な因果関係が明らかにできると考えられる。
|
Research Products
(5 results)