2012 Fiscal Year Annual Research Report
歯科衛生士における医療安全教育システムの開発と評価
Project/Area Number |
23792501
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小原 由紀 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (00599037)
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Keywords | 医療安全 / 歯科衛生士 / 教育システム |
Research Abstract |
本研究では、歯科衛生士養成カリキュラムにおける医療安全教育の実態と課題を明らかにするための調査研究を行い、調査結果に基づき、歯科衛生士教育の特殊性を踏まえた医療安全教育教材の開発と評価を実施した。 平成23年度に実施した歯科衛生士養成機関における医療安全教育に関する質問紙調査では、歯科衛生士養成課程における医療安全教育カリキュラムの整備が不十分である点、教育の内容が知識の獲得にとどまるものが多く、実習・演習場面への応用が少ない点が、課題として明らかとなった。 また、口腔保健学生の臨床実習中におけるインシデント経験に関するインタビュー調査について質的研究手法を用いて検討を行ったところ、講義形式による知識の獲得は、臨床実習における医療安全に関する気付きにつながりにくく、歯科衛生士の業務の特殊性を考慮した医療安全教育を学生が希望している点が明らかとなった。 以上の点を踏まえ、歯科医療現場で起こりうるインシデント場面を想定した自学自習用視聴覚教材を開発し、口腔保健学生を対象に実施したところ、7割以上の学生が講義形式による学習よりも効果的であると回答し、新たな気付きを得たと回答していた。しかしながら、教材に対する学生の感想として、画像の鮮明さや音声の途切れなど教材の質について指摘する声や、自学自習としてではなく、同級生とディスカッション形式での教材の実施を望む声なども上がったことから、今後、より質の高い教材の開発や、教材の運用方法についての更なる検討が必要であると考えられた。
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