2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23792503
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
竹内 周平 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (50507770)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 医用工学 / 生体計測 / 光計測 / 水分量計測 / 電気抵抗計測 / スパッタリング法 |
Research Abstract |
【研究目的】口腔乾燥症は生理的・病的に唾液腺機能が低下する高齢者に多く発症し、慢性疼痛、咀嚼障害、嚥下障害など様々な口腔症状を引き起こす。特に要介護高齢者では著しいQOLの低下をもたらし、より一層の適切な診断・評価法が求められている。今回、光ファイバーを用いた口腔内計測用の光学的水分計の開発し、口腔内計測を行うことによって、口腔乾燥症の新たな診断方法としての有用性を確立させることを目的とした。【実験内容】口腔内計測用光学的水分計の開発のために、光計測装置の出力値と既知の水分量との相関関係から検量線を作成する必要性があることから、新たに電気抵抗式水分量計測装置の開発を行った。基板には生体為害性のないPETシートを選択した。電極形成には直流マグネトロンスパッタリング法を採用し、AgまたはAuの薄膜形成を行った。その結果、軟組織の多い口腔内で馴染みやすい、小型で薄く柔軟性のある縦45mm幅12mm厚さ0.05mmの電気抵抗式センサを製作することが可能となった。電源には外部出力も得られるように改造を施した歯科用電気的根管長測定器を使用し、A/D変換器およびPCを加え、口腔内計測用電気抵抗式水分量計測システムを構築した。【実験の意義・重要性】当該初年度の実験によって、これまでにない口腔内計測用電気抵抗式水分量計測システムを構築することが可能となった。このことは引き続いて行う口腔内計測用光学的水分計の評価対象としてとても重要である。また口腔乾燥症の診断方法において、計測方法の異なる装置を用いることで、多方面からのアプローチができる可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで行われたことのない光計測の用途に加え、光計測には必要である別な計測システムによる水分量計測が必要となり、いずれも新規に開発を行う必要があることから、研究の進行にやや遅れをきたしている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず電気抵抗式水分量計測システムの動作状況確認を行う。また水分量と電気抵抗値との相関関係から検量線を導き出し、in vitroで試験的に基本特性計測を行う。基本特性計測の結果からセンシング部位の形状・材質の改良、電極形態の工夫、電源の改良などを加え、生体計測を実行する。課題としては生体に使用可能な電源について業者と密に連携し、また学会等で多分野から御意見を頂き、生体計測に最適なシステムの構築をしていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度では、まずこれまでにない口腔内計測用電気抵抗式水分計の基本特性計測を行うために、計測用PC、電源、A/D変換器などのシステム改良費が必要となる。次に臨床の現場で有用性を評価する為に従来の口腔乾燥症の検査方法である湿潤度検査紙や静電容量型口腔水分計が消耗品として必要である。一方で実験結果を学会等で発表することで、多分野からの意見を頂き、今後の研究推進に活かすため、学会参加費、旅行費が必要である。
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