2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原細菌感染度と腎機能の関連-歯周病が慢性腎臓病に与える影響の解明-
Project/Area Number |
23792504
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩崎 正則 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80584614)
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Keywords | 慢性腎臓病 / 歯周病 / 疫学 |
Research Abstract |
日本の成人人口における慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)患者数は約1,330万人(12.9%)と推定され,CKDは日本人の健康を脅かす重要な疾患群である。CKDの予防には関連する危険因子に対する対策が重要であるが,これまでの研究から歯周病がCKDの危険因子となりうる可能性が示唆されている。これらの報告は主にアメリカでの調査研究結果を基にしたものが主であり,日本人を対象とした調査研究による報告はない。本研究は血漿抗体価測定を用い,歯周病原細菌感染度と腎機能の関連を調査することにより,歯周病がCKDに与える影響を解明することを目的とした。 まず我々は75歳日本人高齢者317名を対象として,歯周病が腎機能に与える影響についての2年間(2003-2005年)のコホート研究を行い,日本高齢者においても歯周病がCKDの潜在的なリスクファクターの一つである可能性を日本で初めて報告した(Am J Kidney Dis. 2012;59:202-209)。 その後,我々は血漿抗体価測定を用い,歯周病原細菌感染度と腎機能の関連を評価した。79歳高齢者215名を対象とした横断調査により得られたデータを基にしたロジスティック回帰分析の結果,歯周病原細菌,Porphyromonas gingivalisに対する血清抗体価上昇者はCKDのオッズ比が有意に高かった(J Dent Res. 2012; 91: 828-833)。 さらに我々はCKDのリスクファクターであるメタボリックシンドロームと歯周病の関連も評価し,80歳高齢者においてメタボリックシンドロームと歯周病には有意な関連があることを報告した(J Periodontal Res, in press, 2014)。 今後は歯周病治療がCKDおよびその合併症の予防・治療に効果があるか評価する介入研究を実施したい。
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Research Products
(3 results)