2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792505
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷口 裕重 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80529636)
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Keywords | 国際情報交流 / アメリカ合衆国 / 摂食・嚥下障害学 |
Research Abstract |
本年度は,昨年度得られたデータ,つまり健常若年者を対象とし,物性や一口量を変えた食品摂取時の咀嚼・嚥下動態や咀嚼過程で形成される食塊の物性が嚥下惹起にどのように関わるかについての解析を行った.生体記録として表面筋電図,口腔内圧・咽頭圧,嚥下内視鏡,嚥下造影検査を選択し,被験食には餅,米飯を使用し,食塊の物性測定にはクリープメータを用いた.その結果,咀嚼過程の違いがみられたのは咀嚼過程における1回目の嚥下までであった.さらに被験者内では同じ食品摂取時の摂食動態の再現性は高かった.このことは,一口量が調整された食品の摂取においては,1回目の嚥下が惹起されるまでの間に嚥下に適した食塊が形成されていることを示唆していた.これらのデータをまとめた後Differences in chewing behavior during mastication of foods with different texturesとの題名でJournal of Texture Studiesに投稿中である. さらに,物性が異なる食物摂取時(バナナ,クッキー,ミート)の舌運動解析を嚥下造影検査を用いて行った.その結果,咀嚼時に食物を咽頭に送りこむ動作時(Stage 2 oral food transport)に舌は水平的な動きが制限され,垂直的に大きな運動をすることが示された.これらのデータはFluoroscopic evaluation of tongue and jaw movement during mastication in healthy humansとの題名でDyspahgiaに投稿しacceptされた.また米国で開催されたDysphagia Research SocietyやAmerican Congress of Rehabilitation Medicine等で発表した.
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