2011 Fiscal Year Research-status Report
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23792512
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江國 大輔 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70346443)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 歯学 / アルツハイマー病 / 咬合異常 / アミロイドβ |
Research Abstract |
本研究では,動物モデル研究において,咬合異常とアルツハイマー病との関連を明らかにすることを目的とした。平成23年度では,ラットモデルを用いて,コントロール群・咬合異常群・ApoEノックアウト群・ApoEノックアウト+咬合異常群の4群比較を行った。4群の間で迷路テスト正答率に差があるかどうか評価を行い,咬合異常とApoE欠損がアルツハイマー病の発症に関与しているかどうか調べた。実験デザイン:10週齢のSD系雄性ラット(16匹)あるいはApoEノックアウトラット(16匹)を以下の4群に分けた((1)コントロール群;SDラットを8週間通常飼育,(2)咬合異常群;SDラットの両側上顎臼歯の歯冠を削合して8週間飼育,(3)ApoEノックアウト群;ApoEノックアウトラットを8週間通常飼育(4)ApoEノックアウト+咬合異常群;ApoEノックアウトラットの両側上顎臼歯の歯冠を削合して8週間飼育)迷路テスト:eight-arm radial maze taskを用いて,ベースライン時および4・8週間目に迷路テストを行い,認知障害の程度を調べた。その結果,SDラットにおいて,咬合異常を引き起こすと正答数が有意に減少した(P<0.05)。ApoEノックアウトラットにおいても,同様に咬合異常により有意に正答数が減少した(P<0.05)。一方,SDラットとApoEノックアウトラットの比較では有意な差がみられなかった。このことから,ApoE欠損よりも,咬合異常の方が認知障害に影響を与えやすいことが推測された。RNA抽出:凍結標本からRNAを抽出して,RNAの質を確かめた結果,260/280は,1.8を超えており,良好なRNAが抽出できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,脳の組織標本を作製する予定であったが,適切なアルツハイマー病モデルが得られなかったこと,ApoEノックアウトラットの購入が遅れたことから,標本作成が完了しなかった。また,上記の理由で血液検査とアミロイドβの評価は途中の段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
まず,やや遅れている脳の組織形態学的分析,血液検査およびアミロイドβの定量を行い,アルツハイマーの病態を確認する。続いて,リアルタイムPCR法を用いて,アルツハイマー病関連遺伝子(グルココルチコイドレセプター・カスペース・アミロイドβ産生酵素など)の発現を調べる。また,免疫染色やウェスタンブロットを用いてタンパク質レベルでの変化も確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は脳の組織形態学的分析,血液検査およびアミロイドβの定量を行うため,試薬やELISAキットが必要となる。リアルタイムPCRアレイを行うため,その関連試薬が必要となる。タンパクレベルでの確認を行うため,免疫染色やウェスタンブロットのための抗体などが必要になる。収集したデータの入力や統計分析のためのパソコン,統計ソフトが必要である。さらに,学会や学術誌に研究成果を公表するには,旅費・校閲費・印刷費が不可欠である。
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Research Products
(3 results)