2011 Fiscal Year Research-status Report
嚥下機能維持増進プロジェクト-嚥下機能低下を予防する-
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23792522
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
大久保 真衣 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (60385218)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 嚥下障害 |
Research Abstract |
目的:高齢者の口腔機能を維持・増進するために、介護予防事業の一つとして口腔機能の向上が取り入れらている。この口腔機能を評価する項目の一つとして、オーラル・ディアドコキネシスが用いられる事が多い。そこで我々は、超音波診断装置を用いて、高齢者と若年者における舌前方部上下運動距離と安静時の距離の違いを検討した。方法:被験者は、健康女性若年者5名と要介護ではない女性高齢者8名とした。オーラル・ディアドコキネシス回数の測定として、1秒あたりの平均回数を音節反復速度として測定した。次に舌の運動距離の計測として、超音波診断装置GE社製LOGIQ Book XPを用いた。描出画像は、Bモード矢状断での舌背面とした。計測方法は、描出可能な範囲での最前方部の舌背部の上下運動動態を、Mモード上の波形として描出させた。このうち安定した波形3回を測定して、その平均距離を舌運動距離とした。また/ta/発音時の最上部と安静時舌背面の距離を測定した。結果:/ta/発音時の1秒あたりの回数は、若年者で平均7.16±0.8回、高齢者で平均6.2±0.61回であり、有意差が認められた。また上下運動距離は、若年者で平均0.31±0.05cm、高齢者で平均0.81±0.28cmであり、有意差が認められた。/ta/発音時の最上部と安静時舌背面の距離は、若年者で平均0.1±0.05cm、高齢者で平均0.38±0.28cmであり、有意差が認められた。考察:/ta/発音時、舌背面の上下の移動距離が若年者の方が短く、舌前方部の微細な運動が可能であるためと考えた。また/ta/発音は口蓋部に舌前方部を接触させることにより発声させる。このため舌背部が、口蓋相当部の最も高い位置にあると考える。一方安静時舌位は、通常では舌尖部が切歯乳頭付近に位置しているといわれている。このため舌前方部も安静時において口蓋部付近の高い位置にあると考える
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超音波診断装置を用いた研究についてはおおむね良好に進捗していると考えている。また嚥下内視鏡を行うことで、舌根部の観察をおこなっており、これらの観察項目を統合させる作業を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
反復唾液嚥下テスト,改訂水飲みテスト,フードテストを至適基準として嚥下造影検査を実施している。これに若干の機能低下が明らかになるような基準を設定し、スクリーニング検査を開発しており、今後施行予定である。また軽度の障害が認められる場合は画像検査を用いて、画像情報との関係性について明らかにしたいと考える。この結果からグレード分類を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終的なデータの採取を行う予定である。このため携帯性に優れたデータ保管等できるものなどを購入する予定である。またそのデータから検討を行い、学会発表や最終的な打ち合わせ等に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)