2011 Fiscal Year Research-status Report
加齢モデルマウスにおけるレドックス制御と骨吸収のシグナル分子伝達機構の解析
Project/Area Number |
23792526
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小俣 和彦 日本歯科大学, 生命歯学部, 非常勤歯科医師 (00434142)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究は加齢に伴う骨代謝能の低下に対する酸化還元バランス、すなわちレドックス機構の関与について、分子生物学的解析を行うことで詳細な分子メカニズムを解明することを目的とする。今年度は主に加齢モデルマウスの酸化度および抗酸化力の変動様態について解析を実施した。24週齢ICR雄性マウスを30・48・72週まで飼育し、自然加齢マウスとした。加齢マウスより採取した血清をサンプルとし、1)細胞のDNA酸化ダメージの定量8-hydroxy-deoxyguanosine (8-OHdG)2)酸化ストレス(過酸化物質濃度)d-ROMs (diacron-Reactive Oxygen Metabolities) Test 3)抗酸化度(鉄イオン還元量)BAP (Biological Antioxidative Potential) Testについて測定した。72週齢マウスでは、血清8-OHdGおよびd-ROMs Testにおいて、コントロール群に比べて有意な上昇を認めた。またBAP Testでは、コントロール群に比べて有意な減少を認めた。加齢マウスの大腿骨近位端および下顎骨の海綿骨量をマイクロCTにて解析を行ったところ、加齢マウスにおいて骨密度および骨塩量の低下が認められた。これらの結果より加齢による酸化度および抗酸化力の変動様態が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度研究計画のうち、2項目について遅れが生じている。当初計画した加齢モデルマウス作成にて手技的な問題により安定せず個体差が出てしまった。手技の安定を確認した後、30・48・72週までの飼育を行ったため、予想以上の時間を要し計画全体のうち1項目について遅れが生じている。また、加齢マウス由来細胞による破骨細胞形成能の評価について、現在までに実施しているが、有効なデータを得ていない。実施に関する方法としては計画通りに行っているが、実験結果の再現性の面において更に検討をする必要があるため、引き続き検討していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に確立した研究体制を引き続き継続し実施していく。初年度に遅れが生じた項目を当初の計画に加え実施していく。当該項目については現在実施中であるが、解析に関する費用について次年度への繰越が生じた。次年度へ繰越す研究費については、主に破骨細胞形成能の評価での使用を計画していたため、実験の遅れに伴い研究費の繰越しが生じた。現在実施している実験の進展に伴い当初の計画通り解析費として使用していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度の研究計画は、現在実施している破骨細胞形成能の検討に加え、当初計画した、破骨細胞分化に対するredox関連分子の関与について、そのシグナル伝達機構について解析を実施していく。更に、加齢に伴うredox関連分子が骨代謝に与える影響についてin vivoで検討していく。
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