2012 Fiscal Year Annual Research Report
歯科医療分野における輸入超過と国際競争力に関する研究
Project/Area Number |
23792527
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
阿部 智 帝京大学, 医学部, 助教 (90376749)
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Keywords | 歯科 / 医療経済 / 国際競争力 / 医療産業 |
Research Abstract |
歯科医療分野の国際展示会、歯科医療機器メーカー、歯科医療材料メーカー、歯科製品メーカー(歯ブラシ、歯磨剤等のトイレタリー)等を対象として、諸外国の歯科関連製品の商品開発、技術開発に関する聞き取り調査を行い、日本の現状と比較検討を行った。 歯科医療機器分野では、アナログからデジタルへの移行が急激進んでおり、歯科技工分野のCAD/CAMシステム、光学印象(デジタル印象)、スキャニングシステム等の歯科デジタル製品への技術開発費に集中的に投資していた。特にこの分野は、アメリカが先行しているが、日本のように歯科医院が既に歯科医療機器に充分な設備投資をしている市場より、これから歯科医療インフラが充実していく中国やタイなどの新興国の市場が拡大していた。歯科医療材料分野では、大手メーカー間のM&Aが活発に行われているだけでなく、大手化学メーカーの歯科部門が独立し、競合他社を吸収合併する事例が増えていた。トイレタリーなどの歯科製品メーカーは、日本を除く世界市場でColgate社やP&G社が大きな市場を占めており、これらの製品が世界基準となっている。しかし、日本市場が大手3社の寡占状態であり、一般消費者が世界基準の製品を使う環境になっていなかった。 日本の歯科医療産業は世界的なデジタル化の流れや企業の大型化のトレンドに大きく取り残されており、TPPによる市場開放に耐えられるかが大きな課題であると考えられた。
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