2011 Fiscal Year Research-status Report
リンパ浮腫に関する研究―組織学的手法によるエビデンスの探求―
Project/Area Number |
23792538
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大島 千佳 名古屋大学, 医学部, 准教授 (30405063)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | リンパ浮腫 / ICG蛍光造影法 / リンパドレナージ |
Research Abstract |
平成23年度の研究目標はリンパ浮腫モデルラットの確立であった。その準備として、正常ラットを材料に、リンパ節切除およびリンパ管の結察方法、ICG蛍光造影法、組織学的観察方法(蛍光抗体法・パラフィン切片作成法・凍結切片作成法)、動物用MRIなどの手技に習熟した。また、これらの手技を行うための環境も整備した。これにより、正常ラットにおけるコントロール所見を得ることができた。一方、対象群としてリンパ節切除などの処置を施したラットを、経過観察しているが、いまだリンパ浮腫モデルラットの作成には至っていない。特にラットにおいては、リンパ浮腫を肉眼的に判定することは困難であるため、。ICG蛍光造影による、リンパ管の走行確認を主に行っているが、リンパ浮腫の発生を認める所見が得られたラットの数は、十分ではない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リンパ節切除の範囲・深度が不十分だった可能性が考えられる。また、処置を行ったラットの数も不十分であった。文献検討および有識者の意見をもとにしたリンパ節切除手技の妥当性を、再度吟味した上で、リンパ節切除の処置を重ねていくことが急務であると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
絶対的に、対象群となるリンパ節切除ラットの数が不足しているため、回数を重ねてリンパ浮腫モデルラットの作成につとめる。また、外部の有識者と密にコンタクトをとり適切な手技を実施できているか、常時吟味していく必要がある。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に予定していた、ワシントン大学(University of Washington)の客員研究員としての渡航が、震災の影響もあり今年度に延期となった。このため、次年度の予定は前年度からの継続となる。すなわち、ワシントン大学(University of Washington)の客員研究員としてリンパ浮腫による皮膚障害へのケアを学んでくる予定である。また、創傷治癒の研究を専門として行っているDr,Whittneyに師事し、今年度到達できなかった問題点について検討する。なお、現時点で受け入れ先のDr,Whittneyからは許可を得ている。
|