2014 Fiscal Year Annual Research Report
インシデント防止のための診療ガイドラインの活用方法の探索:転倒防止に焦点をあてて
Project/Area Number |
23792539
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
福田 里砂 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40534938)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 転倒予防 / インシデント予防 / 診療ガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インシデントの中でも圧倒的に報告件数の多い「転倒」に焦点を当てて、看護師が実際に行っている転倒予防策と診療ガイドラインの推奨内容とのギャップを明確にし、それに基づいた転倒予防策を検討し、実施し、対策の効果を評価することを目的とした。 平成23年度は診療ガイドラインの収集と内容の整理を行った。その結果、転倒予防方法に関して、多くのガイドラインで比較的高い推奨度であった内容は、対象者の転倒リスク評価(精神状態、運動機能、視力、服薬状況、転倒歴など)、運動プログラムの実施(筋力の維持、個人に合わせたプログラム)、リスク評価に応じた多角的な介入であった。これをもとに、平成24~25年度に質問紙を作成した。 平成26年度は作成した質問紙を用いて、転倒予防策の1つとして急性期病院でしばしば使用されている離床センサーに焦点をあて、看護師がアセスメントに基づき転倒予防策を実施しているかを調査した。その結果、離床センサーの必要性を判断するタイミングは入院時が70.9%であり、必要性を再検討するタイミングは病状が改善した時が64.5%で最も多く、診療ガイドラインで転倒のリスクの再アセスメントの時期として推奨されている術直後~72時間に再検討している人はわずかであった。離床センサーの必要性の判断項目については、移乗・移動行動、認知機能・精神状態に関する領域の項目は90%の人が重要視していたが、それらの項目に比べ排泄行動に関する領域は重要視する人の割合が少なかった。また環境の変化に関する領域は半数の人が離床センサーの必要性の判断項目として重要視していなかった。さらに薬剤の使用に関する領域は、降圧薬・利尿薬、抗悪性腫瘍薬、緩下剤を重要視する人は60%以下で少なかった。
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