2011 Fiscal Year Research-status Report
移植コーディネーターの質向上を目指す養成教育・継続教育プログラムの開発
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23792541
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新宮 美穂 広島大学, 保健学研究科, 助教 (70594472)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流(アメリカ合衆国) |
Research Abstract |
平成23年度は、主に日本の移植コーディネーターに関する文献検討を行い、移植コーディネーターの役割と活動内容に関する理解や、移植コーディネーターの教育や研修に関する理解に努めた。 また、移植後のレシピエントやその家族と面談する機会があり、移植コーディネーターと実際に関わった際に生じた思いや体験の中には、移植コーディネーターの対応の不十分さを指摘する意見が挙がり、患者対応時の医療従事者側の改善点が存在することが示唆された。 さらに、移植先進国であるアメリカ合衆国に赴き、移植実施病院での移植手術や外来診察、ドナー病院での臓器摘出や搬送等、臓器移植の一連の流れについて現地の移植コーディネーターおよび移植医療従事者からの説明を受けながら見学し、アメリカ合衆国の移植医療の実際について知ることができ、日本とアメリカ合衆国の移植医療の相違や日本の課題等に関する意見交換も行った。 日本の臓器移植ネットワークの一部に相当するアメリカ合衆国における臓器斡旋機関にも赴き、移植関連施設における移植コーディネーターの役割や活動内容についても知ることができた。移植コーディネーターという職業は大変特殊で難しい職務内容であるため、入職後に講習や研修コースが設定されており、アメリカ合衆国は多種多様な人種が存在する国柄もあって、多様なニーズに対応できるような人員配置や文化・宗教観の違いに応じた対応の画策等、対象者それぞれのニーズに沿うような工夫がなされていることがわかった。このような点は、個々のニーズに沿うという点においては日本も参考にすべき部分であり、こういった細やかな配慮が患者および家族の精神的ケアや移植医療の普及に繋がると考えられる。 一方、移植コーディネーターの離職年数は日本とさして変わらないという興味深い情報も得られた。大変困難な職務のため早期に離職する者が多く、日本も継続教育の重要性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、研究初年度に移植コーディネーターや移植医療従事者およびレシピエントやドナー等に対して、質問紙および面接調査の実施を計画していた。しかし、一部のレシピエントおよび家族に対して面接調査を実施したものの、当該年度は質問紙および面接調査はほぼ実施できず、次年度以降に持ち越すことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、国内外の研究協力者および移植医療関係者と情報交換・意見交換し、質問内容について十分検討した上で、移植コーディネーターや移植医療従事者、さらにレシピエントやドナーおよびその家族等に対して、質問紙および面接調査を順次実施し、多方面の視点から得られたデータを基に、日本の移植コーディネーターが現在抱えている課題や求められている資質・対応等について抽出し、検討する。さらに、海外の移植コーディネーター教育プログラムと現行の日本の移植コーディネーター教育プログラムの内容の比較・検討を行うことで、新しい移植コーディネーター教育プログラムの開発の手掛かりを見出す。 それらの結果を踏まえて、最終年度には、対象者のニーズに沿った継続的・包括的なケアを提供できるような新しい移植コーディネーター教育プログラムの開発に着手し、進捗状況に応じて、プログラムの実施・評価を目指す。 また、次年度以降も引き続き、最新文献の検討、国内外の移植関連学会への積極的な参加、国内外の研究協力者および研究関連機関との定期的な連絡・意見交換を行うことで、新しい知見を得ると同時に、状況に応じて、研究計画の修正・再検討を行う。 得られた成果については、関連学会や学術論文等により、順次発表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、国内外の移植関連学会への参加や、研究協力者および移植医療関連施設との定期的な連絡・意見交換のための現地出向に掛かる旅費の他、通訳や研究協力者への謝金および通信費等に使用する予定である。
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