2013 Fiscal Year Annual Research Report
移植コーディネーターの質向上を目指す養成教育・継続教育プログラムの開発
Project/Area Number |
23792541
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新宮 美穂 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 助教 (70594472)
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Keywords | 臓器移植 / 移植コーディネーター / 教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、移植コーディネーターの養成・継続教育プログラムの充実促進に資するために、現在国内外で行われている移植コーディネーターに対する教育内容を分析し、より効果的で高度なプログラムの開発とシステムの構築を目指すことである。 本年度は、移植コーディネーターの養成・継続に必要な教育及び支援について、海外の移植コーディネーターにアンケート調査及び面接調査を実施し、内容を検討した。 移植コーディネーターの養成に必要とされる教育内容として、人体解剖学や急性・重症患者看護、人工呼吸器の管理等といった医学的知識や技術のほか、患者及び患者家族の精神的ケアの必要性を挙げており、特に欧米では脳死臓器移植が主であることから、人工呼吸器の管理能力を非常に重視しており、特徴的なものとしては、臓器提供に対する文化的感情や宗教観に関する教育が挙げられた。米国の一機関では、これらの教育のほかに臨地実習及び試験を含めて6ヶ月間の研修期間を設けていた。 また、継続に必要な教育及び支援については、定期的な専門教育の実施のほか、国内外の学会や文献に関する情報提供、他施設との情報共有を行い、最新の知見を得ることが有用であることが挙げられた。 このほか、円滑に仕事に取り組むための職場環境の整備や指導者及びスタッフからの協力等、充実した教育及び支援が、優れたコーディネーターの養成並びに継続への意欲の促進に繋がることが示唆された。 移植コーディネーターは、医学的知識や技術のみならず、危機的状況における自主性や洞察力、チーム医療の一員としての高いコミュニケーション能力が求められていることから、このような資質を高めるための教育も重要になることが考えられた。
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