2012 Fiscal Year Annual Research Report
看護系大学における犯罪被害者支援に関する教育の実態調査
Project/Area Number |
23792542
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
平井 和明 大分大学, 医学部, 助手 (60583820)
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Keywords | 犯罪被害者 / 犯罪被害者支援 / 看護教育 / 精神看護 / 母性看護学 / 助産看護学 / 看護系大学 / 犯罪 |
Research Abstract |
本研究では、犯罪被害者支援に関する教育が看護系の大学においてどのように教授されているか実態を調査した。23年度に犯罪被害者支援にたずさわる者を対象に犯罪被害者支援の場で行われる対象理解・支援の内容を調査。24年度は、医療施設において犯罪被害者に対応する看護師(全都道府県の救命救急センター)を対象に、関わりの実態や施設としての取り組み、マニュアル整備の現状を調査。23年度、24年度の結果を踏まえ調査票を作成し、看護系大学教員に対して質問紙調査を実施した。犯罪被害者支援の場では、身体・精神・社会的な側面から犯罪被害者をアセスメント(抑うつ状態、栄養状態、自殺のリスク等)した上で犯罪被害者の支援が実施されていることがわかった。また、医療施設(外来)にて犯罪被害者の対応にあたる看護師への調査では、被害者であるという認識はできるが、精神科医療への連携や被害者の対応マニュアル・方針の不備から十分な対応が行えていない現状もあることがわかった。看護系大学の教員を対象に行った調査では、回答が得られた教員のうち5割以上が犯罪被害者支援に関する何らかの内容を授業内で取り上げており、その内容は「DV(ドメスティックバイオレンス)」、「虐待」、「性被害」、「いじめ」の順で多かった。また、犯罪被害者支援にたずさわる者が、医療の必要性を判断する上で必要とする知識(身体、精神的側面等からの犯罪被害者のアセスメント・対応等)に関しては、看護系大学の授業内で包含できる内容が教員の専門(母性・助産看護学、精神看護学)の違いにより異なっていることが調査から分かった。
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