2011 Fiscal Year Research-status Report
多剤耐性菌による腎瘻カテーテル関連感染予防のための腎瘻ケアの開発
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23792544
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山本 洋行 名古屋市立大学, 看護学部, 助教 (00581175)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 腎瘻カテーテル / 腎瘻ケア / 尿路感染 |
Research Abstract |
腎瘻カテーテル関連感染の実態を明らかにするため,診療録による後ろ向き調査を行った.対象は診療録の医事情報から「腎瘻」というキーワードで抽出した32名とし,基礎疾患,腎盂腎炎の罹患,検出菌,抗菌薬の投与等に関して情報収集し分析した.65歳以上は16名(50.0%),担癌患者は27名(84.4%)であり,易感染宿主が多いことが明らかとなった.腎瘻カテーテル留置中に腎盂腎炎を発症した対象者は12名(37.5%)であり,抗菌薬はCTM,SBT/CPZ等が投与されていた.過去3年間(2008年4月~2010年3月)の経過明瞭な対象者15名の感染率は1.32であった.感染率はNHSNの算出法を採用し,腎盂腎炎と診断され抗菌薬による治療例を腎瘻カテーテル関連感染例とした.尿道留置カテーテルに関する感染率は,JHAIS(平均値1.2,中央値1.6),NHSN(2.2,1.8),国立大学病院感染対策協議会(0.88,0.65)であり,ほぼ同等かやや高い結果であった.短期抜去の難しい腎瘻カテーテルでは,より一層感染予防に注意したケアの必要性が示唆された.腎盂腎炎発症時の腎瘻カテーテル尿からの尿培養では,複雑性尿路感染症の分離菌と菌種はほぼ同様であったが,大腸菌が検出されていなかったことが特徴的であった. 腎瘻ケアの実態を把握するため,泌尿器科外来における前向き調査を,独自のインタビュー調査票と腎瘻模型モデルを作成し開始した.定期的に腎瘻カテーテル交換をしている患者5名を対象に,診療録調査とインタビュー調査,細菌学的な試料調査を行ったところ,全て担癌患者であり,入眠時の蓄尿袋の管理,腎瘻カテーテルの未固定,外観や利便性により独自に工夫された間違った装具の使用方法が主な問題点として抽出された.また,外見が気になる,蓄尿袋の選択肢が少ない,コンパクトで目立たないものがほしい等のニーズも抽出できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属の倫理委員会による承認と,研究フィールドの病院部長会での承認を得た.また,泌尿器科医師や泌尿器科病棟・外来看護師らとの調整を図り,研究フィールドの確立ができた.後ろ向き調査として,診療録調査を行い研究フィールドにおける腎瘻カテーテルの感染率や腎盂腎炎発症時の検出菌等を明らかにした.それに引き続き,前向き調査として泌尿器科外来における診療録調査,インタビュー調査,試料調査を開始し,5名の対象者の調査が終了した.当初の計画とほぼ同様に順調に調査を実施できている.今後は,引き続き泌尿器科外来における調査を継続し,対象者数を増やしデータの収集と解析を行っていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き泌尿器科外来における腎瘻カテーテル管理患者の調査を行い対象者数を増やしていくと共に,尿管皮膚瘻管理患者に対しても同様の調査を行い,比較検討をしていく予定である.また,泌尿器科病棟において,腎瘻カテーテルの新規造設を行う患者に対しても調査を進めていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度は,科研費に加えて外部研究資金が得られたため次年度への繰り越しをする資金が生じたが,研究は概ね順調に計画通り進んでいる.引き続き研究計画に沿って進めていく予定である.
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