2013 Fiscal Year Annual Research Report
多剤耐性菌による腎瘻カテーテル関連感染予防のための腎瘻ケアの開発
Project/Area Number |
23792544
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
山本 洋行 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (00581175)
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Keywords | 腎瘻管理 / 患者指導 / 指導書 |
Research Abstract |
前年度までの研究において、一部の腎瘻造設患者が、日常生活で都合のいいように独自の不適切な管理(尿流の停滞・逆流を無視したもの)をしていることが明らかとなり、不適切な管理の予防を図ることが腎瘻カテーテル関連感染予防に繋がると考えた。そこで、適切な腎瘻管理の継続には、看護師による患者指導が重要なカギになると考え、患者指導に用いる指導書に着目し本年度の研究を進めた。 研究フィールドとした施設で使用している指導書や文献に掲載のある指導書は、いずれも簡易的で、日常生活に関する具体的な指導は看護師に依存していた。また、指導時に患者が日常生活をイメージし難いことも具体的指導に繋がり難い要因と考えた。これらを考慮し、指導書案をWOC看護師・泌尿器科医師と協働して作成後、看護師を対象に自記式質問紙調査を行った。この結果を基に、指導書案を評価・修正し完成させた。 作成した指導書は、冊子(12頁)に新たな試みとしてスタートアップガイド(1頁)をつけ構成した。スタートアップガイドは、患者が腎瘻について知っておくべき必要最低限の情報を簡潔にまとめ、施術前や看護師の指導前に患者に渡し腎瘻について知ってもらうことを意図して作成した。冊子は、スタートアップガイドを補完する詳細な記載とともに、看護師が個別の患者に合わせて指導し易いよう日常生活等について細かく記載した。また、冊子には図を多用し視覚的理解を図り、患者が自宅で見直して活用できるよう考慮した。 このように必要最低限かつ具体的な情報を示すことで、患者は事前に必要な情報を得て具体的な日常生活をイメージでき、患者の理解向上に繋がる。そして、看護師は指導の際にそのイメージをアセスメントしながら、より具体的に個別の患者に合わせた指導が可能になる。そのため、患者独自の不適切な管理の予防が図れ、腎瘻カテーテル関連感染の抑止に繋がると考える。
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