2012 Fiscal Year Research-status Report
災害時の外部支援受け入れに影響する要因についての研究
Project/Area Number |
23792549
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
黒瀧 安紀子 兵庫県立大学, 付置研究所, 講師 (70593630)
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Keywords | 災害看護 / 外部支援 / 受け入れ |
Research Abstract |
本研究は、病院看護職において、災害時に外部支援を受け入れることに影響する要因を明らかにすることを目的としている。 今年度は、作成した半構成的質問紙を用いて、インタビュー調査を行った。対象は、東日本大震災で被災した、岩手県、宮城県の病院の看護管理職の者であった。今年度は、岩手県の看護管理職2名、宮城県の看護管理職2名にインタビューを行った。病院の設置主体は、県立、市立、私立であった。 災害時に受け入れる主体としては、①病院と②事業所の2種があった。受け入れたのは、①DMAT、②医療班の看護師、③ボランティア看護師、であった。受け入れ方は、①病院の院長決定、②外部からの連絡により決定、③事業所の決定、④外部支援の到着、であった。外部支援受け入れに関わること/決定に関わる要因として、①受け入れる支援者が休める場所があること、②スタッフの被災状況、③スタッフの休息の必要性、④患者、スタッフ、病院許容量のバランス、⑤受け入れた支援者を配置する先のスタッフに力量がある、⑥受け入れる支援者の対応をする人が確保できた、⑦同じ看護職というプロに対する信頼、⑧同じ組織の別病院のスタッフであったこと、などがあった。受け入れるために決定することは、①休む場所、②勤務体制、③勤務場所などがあった。受け入れでもたらされるものには、①休息、②心の支え、③できるケアが増えた、があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りインタビュー調査を実施し、その内容を分析できている。インタビュー内容は、1年目に概念分析で見出した9つの要素を基に、分析、分類しており、概ねすべての内容を分類できている。さらに、受け入れに影響する要因として考えられる因子をいくつか見出すことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
5月―6月にかけて、インタビュー先をリストアップし、インタビューの依頼を行う。 7月―9月にかけて、インタビューを行い、10月-12月に分析を行う。東北への渡航時間を短縮するために、1回の渡航で、いくつかの施設を回れるように、日程調整を行う。分析するために、インタビュー内容は録音し、テープ起こしは、業者に依頼することで時間短縮を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
インタビュー実施のための東北等への渡航費用、最新の知見を得るために、日本災害看護学会への出席(8月、札幌)である。インタビュー内容のテープ起こしの費用、資料整理のためのアルバイトの雇用、最新の知見を得るための本や雑誌、文献の購入、事務用品の購入等を計上している。
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Research Products
(1 results)