2013 Fiscal Year Annual Research Report
災害時の外部支援受け入れに影響する要因についての研究
Project/Area Number |
23792549
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
黒瀧 安紀子 兵庫県立大学, 付置研究所, 講師 (70593630)
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Keywords | 受援 / 外部支援 / 病院看護管理者 |
Research Abstract |
本研究は、病院看護職が、災害時に外部支援受け入れに影響する要因を明らかにすることを目的としている。昨年度に引き続き、半構成的質問紙を用いて、インタビュー調査を行った。対象は、東日本大震災で被災した病院看護管理者であった。調査対象であった宮城県の病院看護管理者のうち、病院院長の許可が得られなかった者、看護部長の許可は得られたが、看護管理者からの返答がなかった者があり、結局、岩手県と宮城県の看護管理者各1名、合計2名にインタビューを行った。 災害時に受け入れた外部支援者は、①救護班の看護師、②ボランティア看護師、③系列病院の看護師であった。受け入れの決定は、①看護管理者自身の要請、②外部からの連絡により決定、③理事長の決定、であった。外部支援受け入れに関わることとして、①外部支援者が休める場所があること、②外部支援者の対応をする人がいたこと、があった。外部支援受け入れ決定に影響することは、①スタッフの被災状況、②休息の必要性、③需要(患者)と供給(医療提供)のバランス、などがあった。受け入れるために決定することは、①休息場所、②勤務場所、③勤務体制などがあった。受け入れでもたらされるものには、①看護職の休息、②心の支え、③被災地の看護師には遠慮していて話せなかった患者が外部支援者に被災について話すことができた、④ケアの勉強になった、があった。 これまでの調査結果より、外部支援受け入れに影響する要因として、診療継続でき、支援者の休息場所を提供できる病院があること、外部支援者受け入れを決定する院内状況に関する情報があること、外部支援者を受け入れた後に対応できるソフト(管理調整できる人、オリエンテーション資料等)があること、がわかった。今後は、外部支援者を受け入れなかった要因や受け入れ後の対応の詳細等から、外部支援受け入れの構造を明らかにするため、更なる研究を実施したいと考えている。
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