2012 Fiscal Year Annual Research Report
示範の提示方向の違いによる看護技術教育効果に関する研究
Project/Area Number |
23792552
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
渕野 由夏 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20316144)
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Keywords | 看護学 / 看護技術 |
Research Abstract |
本研究では看護技術習得過程の初期段階に位置する模倣に着目した。すなわち、学生が看護技術を模倣するためには、その看護技術のイメージを生成することが必要であり、そのイメージ生成には看護技術を観察させることが必要であることから、本研究では看護技術を観察させイメージ生成させる視覚的教示方法について検討を行った。特に本研究では、視覚的教示方法における示範(視覚的に模範的な看護技術)の提示方向の違いによる教育効果の比較検証を行うことを目的として検討を行った。 本研究では、教育効果を比較検証するために、同じ方向を向いているモデルが示範を提示するビデオと対面したモデルが示範を提示するビデオを作成した。実験では示範の提示方向の異なるビデオを1種類視聴してもらった後、技術テストおよびインタビューを実施した。なお、技術テストおよびインタビューは1回目をビデオ視聴直後とし、2回目はビデオの視聴内容が短期記憶として記憶されている1週間後、3回目はビデオの視聴内容が忘却される2週間後の3回を設定し、実施した。 本研究を実施した結果は次のとおりである。まず、技術テスト結果を分析したところ、本研究で対象とした看護技術に関しては、示範の提示方向は看護技術習得にあまり影響を及ぼさないことが示唆された。しかし、インタビュー結果を分析したところ、看護技術習得の初期段階の模倣のためのイメージ生成に示範の提示方向が影響する可能性があることが示唆された。 今後は、示範の提示方法を再検討したり、様々な看護技術を実験対象技術として実験を行うなど、示範の提示方向による教育効果についてさらに検証を重ねていきたいと考える。
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