2011 Fiscal Year Research-status Report
看護学生の首尾一貫感覚と心理社会的汎抵抗資源の因果関係の解明
Project/Area Number |
23792553
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
下山田 鮎美 東北福祉大学, 健康科学部, 講師 (20315576)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 首尾一貫感覚 / 汎抵抗資源 / 看護学生 |
Research Abstract |
本研究においては、看護学生の首尾一貫感覚と心理社会的汎抵抗資源の因果関係の解明を目的とし、A大学看護系学科2009年度入学生のうち2011年度後期から臨地実習を開始する学生を対象に、ベースライン調査(臨地実習実施前、2011年9月)と追跡調査(1)(臨地実習前半(病棟における領域実習)実施後、2012年3月)の2回にわたり自記式質問紙調査を実施した。主たる調査項目は、学生の属性、心理社会的な学習環境、臨地実習に臨む姿勢や臨地実習での体験、看護職としての職業的アイデンティティ、期待されるソーシャル・サポートの強さ、首尾一貫感覚(SOC-29)であった。 ベースライン調査における対象数は69名、回収数(回収率)は55名(79.7%)、追跡調査(1)における対象数は67名、回収数(回収率)は58名(86.6%)であった。 主要な結果をベースライン調査、追跡調査(1)の順で以下に示す。心理社会的な学習環境のスコアは14.25(SD2.45)から14.71(SD1.95)、看護職としての職業的アイデンティティのスコアは45.29(SD7.11)から45.80(SD7.72)、期待されるソーシャル・サポートの強さのスコアのうち、家族からのサポートは53.81(SD9.01)から53.47(SD9.70)、教員からのサポートは38.31(SD9.59)から42.51(SD9.88)、友人からのサポートは51.94(SD3.36)から54.02(SD7.02)、首尾一貫感覚(SOC-29)のスコアは118.22(SD19.02)から119.98(SD19.74)となっていた。また、これらの各項目について平均値の差の検定(Wilcoxonの符号付順位検定)を行ったところ、教員からのサポート(p=0.003)において有意差がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に実施予定であった質問紙調査(1)(ベースライン調査、追跡調査(1))を滞りなく実施することができたこと、また、これら各々についての単純集計、相関分析、マッチングしたうえでの平均値の差の検定を行い、共分散構造分析を行ううえでの示唆を得ることができたことにより、おおむね順調に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、2009年度入学生の追跡調査(2)(9月)、2010年度入学生のベースライン調査(7月)及び追跡調査(1)(3月)を実施予定。今年度をもって2009年度入学生の追跡は終了となる。そのため、各調査の分析を進めるとともに、2009年度入学生を対象に実施した3つの調査のデータを統合し、共分散構造分析を行うことによって首尾一貫感覚と心理社会的汎抵抗資源の因果関係を明らかにしたい。 また、2009年度入学生と2010年度入学生の比較も行う予定である。 そして、これらにより得られた成果を、順次各種学会等にて発表予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記計画により、平成24年度における研究費の主要な使途は、研究協力者謝品(@400×80=32,000)データ入力(@25,000×3=75,000)、分析に関する専門的知識の提供(@5,000×15=75,000)及び旅費(@25,000×2=50,000)、その他を予定している。
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