2011 Fiscal Year Research-status Report
新人看護師の血管確保成功率が向上する技術トレーニングプログラム
Project/Area Number |
23792566
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
炭谷 正太郎 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (90516692)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 血管モデル / 穿刺抵抗 / 血管確保 / 新人看護師 / 前腕認知アプリケーション / 看護技術 |
Research Abstract |
平成23年度予定の第1研究では、血管確保における皮下の観察を可能とするため、シリコン製透明血管モデル(以下血管モデル)を試作した。5名のベテラン看護師により、人体の一条件として妥当かどうか聞き取りした結果、「皮膚温度が低い」「留置針の刺入抵抗が高い」「皮膚表面がべた付く」との課題が明らかとなった。そこで、皮膚表面にべたつきを抑えるコーティングを施し、シリコン材質を変えた3種の血管モデル(a,b,c)に対して、常温の血管モデル(22℃)と湯煎した血管モデル(35℃)に対する刺入抵抗をオートグラフにて測定した(穿刺角度30度、22G留置針シュアシールドサーフローII使用)。その結果、常温の試作の血管モデルに比べ、湯煎した血管モデルcの刺入抵抗は150.5fgから96.2fgに軽減した。湯煎したモデルcに対し、5名のベテラン看護師による「血管モデルは人体の一条件として適切か」の聞きとりでは、「妥当」であるとの評価が得られた。今回作成した血管モデルを用いて、平成24年度に新人看護師の血管確保における留置針挿入技術をモーションキャプチャーにより詳細に分析する予定である。 同じく平成23年度予定であった第2研究では新人看護師が自分自身で容易に血管確保技術場面を録画できるためのiphone対応の自動前腕認知アプリケーションの開発を実施した。平成24年度に、作成したアプリケーションを用いて臨床でのモニター試験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1研究では、3次元計測から新人看護師の手技の特徴を明らかにするため、血管確保における皮下の観察を可能とするシリコン製透明血管モデルを作成することができた。 また、第2研究は教育的介入に有効とされる新人看護師自身の手技の録画活用を実現するため、自身で容易に手技を録画できる前腕認知アプリケーションを開発することができた。したがって、平成23年度の計画に添った研究が遂行されている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、おおむね計画に添った研究が遂行されており、平成24年度においても、採択された計画に準じ、研究を進めてゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主たる繰越金は前腕認知アプリケーション作成費用(150千円)である。完成が年度末であったため、支払が平成24年度4月となった。血管確保の手元撮影のため本学所有のモーションキャプチャー設定費用及び計測支援(400千円)、専用7mmマーカー(20千円)が必要である。自分で血管確保技術を録画できる自動前腕認知アプリケーションを搭載したiphone11台(720千円)が必要である。観察に録画を用いるため記録用HDD(50千円)、輸液デバイス等消耗品(150千円)および医療廃棄費用(10千円)を要する。米国輸液看護師などから情報収集および研究成果を発表するため、国内外へ旅費が必要である(240~290千円)。
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