2012 Fiscal Year Research-status Report
新人看護師の血管確保成功率が向上する技術トレーニングプログラム
Project/Area Number |
23792566
|
Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
炭谷 正太郎 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (90516692)
|
Keywords | 新人看護師 / 血管確保 / 技術トレーニング / 留置針 |
Research Abstract |
血管モデルに対し新人看護師および看護師経験年数10年以上のベテラン看護師計20名が血管確保を実施しモーションキャプチャー(pro reflex MCU120)を用いた3次元計測を行った。専用7mmマーカーを看護師が持つ留置針の2か所に取り付け、モーションキャプチャーを用いて3次元座標を100Hzで測定した。結果、新人看護師はベテラン看護師に比べ留置針の刺入速度が遅く、血管穿刺が困難あるいは内出血の危険が増す要因となっていることが示唆された。今後得られた3時元計測データを基に刺入角度や刺入した長さ等の分析を行い、平成25年度の技術トレーニングプログラムの開発に活用する。 録画アプリケーション搭載の携帯録画機器(iPod Touch)は臨床看護師10名が使用し、臨床における自己の血管確保技術を録画した。1カ月間に10例の血管確保場面の録画を収集し分析した。その結果、臨床における血管確保実践において新人看護師の特徴として静脈血管の怒張および刺入部位の選定に課題があり、針先を静脈血管内に入れることが困難である傾向が示された。また、経験年数1年~3年の看護師は静脈内に内針が到達した後、外針の挿入および内針の抜去までの過程に血液の逆流が消失する類の失敗がみうけられ、内外針の操作に課題があることが示唆された。研究代表者(炭谷)が作成した血管確保アルゴリズムを基に、内外針の操作に関わる判断および具体的な操作方法を検討した。これらの結果を平成25年度の技術トレーニングプログラムの開発に活用してゆく。新人看護師の看護技術と臨床に求められる技術との乖離が問題となる中、看護技術の中でも特に巧緻性の高い末梢静脈留置針を用いた血管確保技術に着目した技術トレーニングの構築が急務である。臨床看護師の技術獲得をもって患者に貢献しうる技術トレーニングプログラム構築の研究意義は大きい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書にあるように、モーションキャプチャー(pro reflex MCU120)を用いた3次元計測および臨床における自己の血管確保技術を録画・分析を実施している。 研究データの分析を一部残しているが、概ね平成24年度の予定通りに研究は遂行された。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、平成24年度に得た研究データの分析を一部残しているが、概ね計画に添った研究が遂行されており、平成25年度においても、採択された計画に準じ、研究を進めてゆく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度(平成24年度)までの成果をもとに、集団比較実験デザインによる検証を行う。研究代表者(炭谷)の先行研究(炭谷・渡邉,2010)による血管確保成功率や失敗要因などをアウトカムとした介入群と対照群の比較などにより技術トレーニングプログラムの効果を検証する。従来の静注シミュレーターでは刺入部位の選定が容易であるなど成功率や失敗要因の分析など技術トレーニングプログラムの詳細な検証にふさわしくないため、トレーニングプログラムの検証における血管確保実施は計画通り人体を対象とする。なお、事故の危険を察知しやすいなど安全の配慮のため患者役も研究協力を承諾した看護師とする。 血管確保の実施成功率の比較により教育的介入効果を検証するため、50名の新人看護師および患者役(謝金1500円×50人×2回×2役)の確保が必要であり、ベテラン看護師(謝金10千円×3人×2回)の協力を要す。血管確保実施で万が一の事故に備え相談役医師の協力(20千円)、輸液デバイス等消耗品(150千円)および医療廃棄費用(10千円)を要する。
|
Research Products
(3 results)