2013 Fiscal Year Research-status Report
新人看護師の血管確保成功率が向上する技術トレーニングプログラム
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23792566
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
炭谷 正太郎 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (90516692)
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Keywords | 血管確保 / 静脈内注射 / 看護技術 / 新人看護師 / 技術教育 / トレーニング |
Research Abstract |
血管モデルに対する血管確保実施と3次元計測の分析の結果、ベテラン看護師は新人看護師に比べて留置針の穿刺速度が速かった。また、新人看護師は穿刺時に針が動揺し、ベテラン看護師は意図的な角度調整を行っていることが示唆された。 また、臨床における血管確保技術を録画したモニター試験によると、血管モデルに対する血管確保における静脈穿刺角度は従来の国内の代表的なテキストに記載されている15°~20°に比べ、最小値、最大値共に範囲は広く7.1°~28.1°であった。従来推奨されている静脈穿刺角度より実際は患者の血管の走行深度や内外径などの性状等に合わせて穿刺角度をより幅をもって配慮していることが示された。血管確保などの静脈穿刺において、穿刺角度決定のための静脈血管の性状(表在性、直進性、太さなど)の把握、すなわち血管アセスメントが重要である。 なお、トレーニングプログラムに臨床実践を含む必要があり、新人看護師は教育的介入によって教示された技術を臨床において患者に実践し、教示された技術の効果を実感し身に付けてゆく過程が重要である。求められる新人看護師の変化とは、留置針の穿刺速度にこだわり、配慮し、適切な穿刺速度を模索しようとする意識が新人看護師に生まれることにある。 今までの成果を基に、新人看護師自身の録画を用いたトレーニングプログラムトレーニングプログラムは、Step1デモンストレーションビデオ視聴、Step2人体への血管確保の実践録画による課題抽出、Step3ベテランナースによる教育的介入、Step4臨床実践、Step5フレッシュナースの実践録画による評価という5つのStepから構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実施計画に準じ、モーションキャプチャーを用いて、血管モデルに対し新人看護師および看護師経験年数10年以上のベテラン看護師が血管確保を実施し動作分析を行った。また、臨床における血管確保技術を録画したモニター試験を実施し動作分析を行った。これらの成果を基に、新人看護師自身の録画を用いたトレーニングプログラムを構築することができた。 なお、平成25年度に行う予定であった新人看護師50名を対象とした無作為集団比較試験によるトレーニングプラグラムの検証が対象者確保の都合等により、実施することができなかった。トレーニングプラグラムの検証は平成26年度に速やかに実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
新人看護師50名を対象とした無作為集団比較試験によるトレーニングプラグラムの検証を行い、平成26年度研究計画に準じ、学術集会への発表や学術誌への投稿など、研究成果を公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度実施予定であった新人看護師50名を対象とした無作為集団比較試験によるトレーニングプラグラムの検証を平成26年度に実施するため。 血管確保の実施成功率の比較により教育的介入効果を検証するため、50名の新人看護師および患者役(謝金1.5千円×50人×2回×2役)の確保が必要であり、ベテラン看護師(謝金10千円×3人×2回)の協力を要す。また、血管確保実施で万が一の事故に備え相談役医師の協力(20千円)、輸液デバイス等消耗品(150千円)および医療廃棄費用(10千円)を要する。
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Research Products
(1 results)