2013 Fiscal Year Research-status Report
近赤外線分光法により脳科学的に学習効果を検討した看護技術の視聴覚教材の開発
Project/Area Number |
23792568
|
Research Institution | Yokkaichi Nursing and Medical Care University |
Principal Investigator |
小笠原 ゆかり 四日市看護医療大学, 看護学部, 准教授 (50335048)
|
Keywords | 看護学 / 看護技術教育 / 視聴覚教材 / 近赤外線分光法 / 体位変換 / 動画 |
Research Abstract |
看護技術教育に関する動画を作成する基礎資料として2つの研究を行った。 1つ目は、視聴覚教材を用いた看護教育に関する国内外の文献レビューを実施した。1990年から2012年11月の期間、医中誌Web、CiNii、Pubmedで文献を検索し72件の文献が抽出された。72件のうち55件が日本の文献であり、日本における文献は「無菌操作」や「血圧測定」など看護技術のテクニックに関する内容が多く、国外の論文は「意思決定」や「臨床判断」といった総合的な技術に関する内容が多く、クリティカルシンキングや臨床能力やアセスメント能力を向上するための研究であった。国外の研究においては準実験研究が用いられ視聴覚教材を用いた看護教育の効果のエビデンスを探求していたが、日本の研究はほとんど見られなかった。 日本と国外において視聴覚教材を用いた看護教育の内容に違いがあり、日本の看護教育における視聴覚教材の学習効果を検討した研究は多く実施されておらず、本研究における脳科学的な学習効果を確認するような視聴覚教材が開発されることは意義があると考えられる。 2つ目は、看護技術の動画の具体的な内容を検討を行った。看護技術の一つである「体位変換」の方法について看護基礎教育で使用されているテキスト7冊から記載内容を抽出し、「患者の動き」「看護者の動き」「ボディメカニクスの活用」の3つの視点で比較した。本研究における体位変換は「仰臥位から側臥位にする方法」で検討した。体位変換の方法は11種類あったが、「下肢から骨盤、肩の順に自然な回転を利用した回転」と「体幹全体を軸にした回転」の2つと「患者の膝関節を屈曲する方法」と「患者の膝関節を屈曲しない方法」の2つに大きく分類できた。 この結果から「動画のみ」「動画+テロップ」「動画+ナレーション」の3種類の動画を作成し、脳科学的な学習効果の検討を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成25年度に近赤外線分光法を用いて看護技術に関する視聴覚教材視聴時の脳血流量の変化を明らかにする実験を実施する予定でいたが、動画作成・分析の検討が不十分であり正確なデータ収集が困難であることや実験の環境や装置が整わなかった。そのようなことから、動画作成、データ分析方法および実験環境等について再検討を行ったため、実験を実施することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に、本調査の基礎資料となる視聴覚教材を用いた看護教育に関する文献検討と動画を作成するための「体位変換」に関するテキストによる内容分析の調査の結果から、脳科学的な学習効果を測定するための3種類の動画を作成し、研究を進めていく予定である。 近赤外線分光法による脳科学的な学習効果を調査することについては、広島大学で装置を借用し実施する予定であったが、時間の制約があるため装置をレンタルし実施することを検討している。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は近赤外線分光法を用いて看護技術に関する動画を視聴し、脳科学的に学習効果を調査する予定であったが、実験までに至る準備が整わなかったことが理由の一つである。また、実験が進んでいないことから物品購入等を行っていないことも挙げられる。 近赤外線分光法を用いた実験の実施と研究成果の学会発表のため、近赤外線分光法の装置のレンタル料、実験協力者への謝金、解析を行うための費用、および学会発表の経費に使用する予定である。また、研究の最終年度になるため報告書作成費用に使用する予定である。
|